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50歳からの“老後破産”防衛術ライフ

確定拠出年金は「絶対儲かる」、ただし“地雷”に注意せよ!(4/4ページ)

2016.09.08

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では何を選べばいいのか?

 アクティブ・ファンドはダメ。バランス型ファンドも、元本確保型の商品も、自社株もダメ、ということになると、確定拠出年金を通じて買える商品って、かなり対象が絞られませんか? 山崎さんだったら、どういう商品でポートフォリオを組むのでしょうか。

山崎氏が確定拠出年金についてまとめた著書『確定拠出年金の教科書』

 「答えはとてもシンプルです。確定拠出年金で投資する商品は2つで十分です。ひとつは東証株価指数(TOPIX)に連動するインデックス・ファンド。もうひとつはMSCI-KOKUSAIといって日本株を除く先進国株式に円建てで投資したのと同じ状態になるインデックスなど、世界の株式市場に幅広く分散投資するインデックス・ファンドです。この2つのインデックス・ファンドを組み合わせるだけで、確定拠出年金の運用は十分です。インデックス・ファンドですから、アクティブ・ファンドに比べて運用管理手数料が大幅に安くなります。確定拠出年金のように、長期にわたって行われる運用においては、運用管理手数料の差が、最終的な収益に大きく影響してきますから、この手の手数料は安いに越したことがありません。また、税制メリットが受けられることからすれば、できるだけ期待リターンの高いものを確定拠出年金で運用した方が有利なので、TOPIXに連動するインデックス・ファンドと、世界の株式市場に分散投資したのと同じ投資効果が得られるインデックス・ファンドが、確定拠出年金の運用においては、最も合理的な組み合わせなのです」

 確かに、そのようにシンプルに考えれば、組み合わせで悩む必要はどこにもありません。納得です。ちなみに、両者の組み合わせって、どのような比率にすれば良いのでしょうか。

 「これもシンプルに考えれば、半々で良いと思います。国内株式:外国株式を5:5にするのです。もしくは最近の傾向を反映させて考えれば、国内株式:外国株式を4:6で持っても良いかも知れません。ただ、4:6も5:5も、それほど大きな差はないと思います。あと、ひとつだけ注意したいのは、自分の老後のお金は、確定拠出年金だけで運用しているのではない、ということです。一般の銀行預金口座もあれば、証券会社の課税口座、さらにはNISAもあります。よく聞かれるのは、銀行預金とリスク資産の割合ですが、若くて、健康で、安定した仕事がある人は、予備費も含めて、借金せずに済む程度のお金が銀行預金にあれば、後はすべてリスク資産で運用しても良いでしょう」

 確定拠出年金は、自分で投資先を選び、自分の判断で運用できる反面、その成否はすべて自分が将来受け取る年金の額に跳ね返ってきます。とはいえ、損をするのが嫌だからといって、掛金のすべてを元本確保型商品だけで運用していては、非課税のメリットを存分に活かすことができず、それこそ宝の持ち腐れになってしまいます。

 自分で投資先を選ぶのは、特に投資初心者にとっては難しいところですが、山崎さんが言うように、シンプルな考え方で臨めば、そう悩む必要もなさそうです。多くの人が利用できるようになる来年1月以降、確定拠出年金にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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