今回は輸入車のご紹介です。しかもオープンカーですよ。
VW(Volkswagen フォルクスワーゲン)のEOS(イオス)は2006年から販売が開始され、2009年に日本での販売を終了しています。
不人気車らしい販売期間の短さですね~w
発売当初の新車価格は400万円を超える高級車ですが、現在中古車市場を見てみると100万円台~200万円弱の良質中古車が出まわっています。普通、高級車の中古は排気量が大きかったり、車体が大きかったりして維持に困ることが多いのですが、このEOSは2.0Lエンジンの設定があり、ボディもコンパクト、しかも4シーターと日常の使用にも困ることのないのパッケージです。
では、なぜ不人気なのか?魅力的な部分とあわせてご紹介致します。
ゴルフのオープンカー?
外観はゴルフとは差別化され、丸っこいイメージにしつつもスポーティな印象があります。
内装を見るとほぼゴルフですね。
エンジンも当時のゴルフGTIと同じ直噴ターボ2.0LとゴルフR32と同じV6 3.2Lエンジンが搭載されています。ミッションはオートマだけの設定になりますが、オートマといってもVWの伝家の宝刀『6速DSG』が組み合わされています。
DSGはデュアルクラッチという技術で、簡単にいえば1速で走っている時にすでに2速のクラッチをつないでおき、素早い変速を可能にしているシステムです。
マニュアルミッションがベースになっているオートマチックシステムで、変速時のショックもうまく抑えられている為、通常のオートマチックよりも高トルクエンジンを採用できるのです。
なので、スポーツカーのような爽快感、走りの楽しさを手軽に味わえる車と言えます。
人気車の影に隠れた中途半端な存在
VWにはニュービートル・カブリオレという看板車と言える魅力的な4シーターオープンカーが当時存在していました。
実際、発売当初VWの方針としてはゴルフカブリオレの後継車にはニュービートル・カブリオレ。EOSはゴルフとパサートの間の新しいカテゴリーとしていたそうです。
出ました!中途半端!!w
大衆車なのか?高級車なのか? 答えはその間ですw
装備はかなり豪華
前述のニュービートルと比べると装備がとても豪華といえるでしょう。DSGやハイスペックなエンジンも含めて100万円どころの価格差ではありえません。
まず、サスペンション。ニュービートルのリアサスペンションはトーションビームという、よくコンパクトカーに採用されるものですがEOSは4リンクサスペンションです。しかも前後にスタビライザーが装着されています。こちらの方が乗り心地もよく、スポーティなサスペンションとなっています。
それから、基本的にはシートが本革シートです(一部布シートのグレードもあり)。しかもセミバケットタイプになっていて体がほどよく固定されるため長距離の運転やカーブが多い山道でも疲れにくいです。
電動開閉ルーフ
そして、この車の最も特徴といえる箇所が電動開閉ルーフでしょう。当時、世界ではじめて採用された5分割式電動ルーフは開閉時間を25秒で可能としています。
この開け閉めは変形ロボみたいで、見ているだけでも男子はニヤけてしまいますよ。
グラスルーフを採用していて、閉めている状態でも天井をスライドさせることでサンルーフとしても使うことができます。
輸入車は壊れやすいか?
EOSが良い車だとわかっていてもこの車が輸入車である部分に不安を感じて、なかなか手が出せないという人もいるでしょう。そういう人が心配なのは輸入車であるがゆえの故障の多さにあると思います。この点も日本市場での不人気車になるところだと思います。
しかしポイントを抑えて、しっかり定期メンテナンスをしていれば輸入車であってもそんなに心配することはありません。
しかし、購入時に必ず確認してもらいたいのはやはり電動ルーフの開閉についてです。それ自体が大きく故障することは少ないようですが各所センサーが故障してうまく閉まらなかったり、開かなかったりすることはあるようです。
何度か開け閉めしてもらってスムーズに動くかどうかと、故障した場合の修理保障内容がどんな対応か確認しておきましょう。
メンテナンスポイント
VWで共通して壊れやすいのはエアコン、パワーウィンドウ、エンジンのオーバーヒートです。
エアコンについては電動ルーフ同様に動作と修理保障内容を確認しておきましょう。
パワーウィンドウは固定するピンがプラスチックで出来ているため、このピンが経年劣化でよく折れます。このためモーターとガラスが落っこちて窓が開きっぱなしになってしまいます。ついでにモーターやレギュレーター(上下させる仕組み部分)を交換することも多いので、あらかじめ相談して交換してもらえるなら交換しておいてもらいましょう。
オーバーヒートに関してはラジエターの中にあるサーモスタットという温度を調整する部品が中で壊れ、水の循環をつまらせます。
水がラジエターの中でつまってしまうと、当然冷却できなくなるのでオーバーヒートになります。
このサーモスタットも購入時や車検時に交換しておくのがオススメです。
輸入車を購入する際はやはり国産車と比べれば故障が多いですから、こういった車のクセをわかっているようなお店で購入するのが良いと思います。