ゲーム脳の嘘と本当【ゲーム脳が子供に与える影響とは】 |
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ゲーム脳と聞いて、どのような印象を持つでしょうか?
「ゲーム脳は悪」と思った人がほとんどではないでしょうか?
実際、PTAなどでは、「ゲームのやり過ぎによって、ゲーム脳になり、残虐なことを平気でやり、友だちとうまく関われない子供が増えている」と平然と話されています。
でも実はこの考えは、大きな誤解によって"ゲーム脳"という言葉が一人歩きをしたもの。長時間ゲームに没頭し、勉強や仕事をしなくなる「ゲーム依存症」や流血や殺人を繰り返すゲームをすることによる残虐性の芽生え、現実と仮想空間の区別がつかなくなる等のコンピューターゲームを原因として起こる精神症状と混同しているのです。これは、「コンピューターゲームは悪」と考えるマスコミや教育者の主張が先行し、混同された結果に過ぎません。
ゲーム脳の影響には、異議を唱える専門家が多い
ゲーム脳とは、コンピューターゲームや携帯電話のメール操作、パソコン操作をしているとき、脳波のβ波が低下。この状態が、認知症患者と同じで、コンピューターゲームが脳にダメージを与えているという考え。ただし、この脳波計測には、簡易型の脳波計が使われており、これが医学機器に該当していないオリジナル品であることや、著書内での様々な見解に異議を唱える専門家も多く、ゲーム脳が悪という図式が医学的に証明されているわけではないのもポイントです。
脳トレを開発した東北大学教授の川島隆太氏はこの考えに真っ向から反対し、「ゲームで脳が壊れることはない」と一貫して主張しています。
ゲームを厳選すれば、脳の活性化に役立つ
このように反対意見が多いとはいえ、コンピューターゲームが子供に与える悪影響がまったくないというわけではありません。前述のゲーム依存症は若年層を中心にまん延しているのは紛れもない事実です。長時間コンピューターゲームに熱中し、実世界への興味を失い、無気力になる人もおり、中には、ゲームに没頭することを親に注意され、殺害に至るケースもあります。
また、10代前半までの子供を中心に、死生観への影響も危惧されています。何度もリセットできるゲームの特性から、実社会でも「人を殺しても、生き返る」と信じている子供たちも少なくありません。
また、人との関わりにストレスを感じ、ネットの中でのみ自分らしくいられると感じる人もいて、その影響から、社会に適応できない事例も多数あります。
コンピューターゲームにもいろいろな種類や目的があります。すべてがNOという考えはあまりに稚拙です。脳にいい刺激を与え、脳を活性化するものもあり、子供の無限の能力を伸ばしことを目的にしたものもあります。
子供に与えるものは、内容を吟味し、時間管理をしながら遊ばせることで、いい結果につながることを理解したいものです。