フィリピン爆弾テロ 政権に打撃狙い大統領の地元で犯行か

フィリピン南部の都市で80人以上が死傷した爆弾テロ事件で、現地の警察は、事件は地元のイスラム過激派組織が政権に打撃を与えるために大統領の地元を狙ったという見方を示し捜査を進めるとともに、厳重な警備態勢を敷いて新たなテロへの警戒を強めています。
フィリピン南部ミンダナオ島の最大都市ダバオで2日起きた爆弾テロ事件では、14人が死亡、68人がけがをし、過激派組織IS=イスラミックステートに忠誠を誓っているとされる地元のイスラム過激派組織アブサヤフが犯行を認める声明を出しています。
フィリピン国家警察のデラロサ長官は3日の記者会見で、「テロリストは、ドゥテルテ大統領にとってダバオがどれだけ重要かわかっている」と述べ、アブサヤフが政権に打撃を与えるために、大統領の地元であるダバオを狙ったという見方を示しました。
ドゥテルテ大統領は、ことし6月まで20年余りにわたってダバオ市長を務め、先月下旬からはアブサヤフの壊滅を目指して軍による掃討作戦を進めています。警察は、事件に関わった人物の特定を急ぐなど捜査を進めるとともに、アブサヤフが犯行声明で新たなテロを示唆していることから、ダバオや首都マニラなどで厳重な警備態勢を敷いて警戒を強めています。