米中首脳会談始まる 南シナ海問題で意見交換か

米中首脳会談始まる 南シナ海問題で意見交換か
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4日からG20サミットが行われる中国の杭州で、米中首脳会談が始まりました。オバマ大統領と習近平国家主席は地球温暖化対策で米中両国がリーダーシップを示していく姿勢を強調する一方、南シナ海での中国の海洋進出などについて意見を交わすものとみられます。
米中首脳会談は、杭州の西湖のほとりにある迎賓館で、日本時間の3日午後8時前から始まりました。首脳会談に続いて、日本時間の3日午後8時半ごろからはオバマ大統領と習主席による少人数の会談が行われる予定で、続いて、両首脳は夕食をともにすることになっています。

会談に先立って両首脳は式典に出席し、オバマ大統領は地球温暖化対策を進める国際的な枠組みの「パリ協定」を受諾する文書を、また習主席は批准を決定する文書を国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長にそれぞれ提出し、「パリ協定」は発効に向けて大きく前進することになりました。

首脳会談で両首脳は、地球温暖化対策で米中両国がリーダーシップを示していく姿勢を強調する一方、オバマ大統領は南シナ海での中国の海洋進出の動きや国内の人権状況について習主席に懸念を伝えるものと見られます。これに対し、習主席は南シナ海をめぐる問題でアメリカとの対立を望まない考えを強調する一方、アメリカの最新のミサイル迎撃システム「THAAD」の韓国への配備について、中国の安全保障に危害を与えるとして取りやめるよう求めているとみられます。

また、習主席は、経済分野で、通貨・人民元をめぐる改革を進めていると強調したうえで、アメリカが、今月、追加の利上げをするという観測が出ていることを念頭に、世界経済の安定に向けて慎重に金融政策を進めるよう促しているものとみられます。