トコジラミについて
トコジラミの生態
1~2日毎に体重の5倍程度も吸血し、潜伏場所に2ヶ月以上毎日1~5個産卵します。成虫は羽化後半日で交尾可能になります。成虫の体長は5~8mm程度。
色は赤褐色です。寿命は3~5ヶ月で、外敵防除のため非常に臭い液を出します。
不完全変態なので幼虫と成虫は同じような形をしており扁平な体で狭い隙間に潜り込みます。吸血は通常夜間に行い、吸血後は壁や床の隙間にある巣に戻ります。
最近は港湾地区以外ではあまり見かけませんが、人の多い集合住宅に多く、家具などについたまま持ちこまれたりします。
名称 |
トコジラミ(別名:南京虫、床虫英語名:Bed bug) |
分類 |
カメムシ目トコジラミ科 |
体長 |
成虫:5~8㎜ |
体色 |
薄黄色からやや赤褐色。 吸血後は吸血した血液が透けて見えるため濃い茶色に見えます。 |
体型 |
扁平かつ楕円形(幼虫も成虫と同型) 触角は四節で、口器はよく発達しており、寄生生活に適した体型です。 |
卵 |
淡黄色で1mm程度 (主な潜伏場所) 柱や床板、壁面、壁紙の裂け目、ベッドやタンスなど家具の隙間・継ぎ目、布団などの寝具類や衣類など |
生息場所 |
暗闇・狭い隙間 |
活動 |
夜行性 |
寿命 |
約9~14ヶ月 ※血を吸わなくても、条件によっては6ヶ月以上生きることがあります。 |
トコジラミの増加原因
- 元々トコジラミは今から半世紀以上前の戦時中には多く生息していました。当時はシラミなどの防疫対策ように使用していたDDTという粉状の薬剤(現在は使用禁止)が効果的であり、一時は国内では絶滅したとも云われました。
しかしここ数年、国内でのトコジラミ被害の相談が増え続けています。これは海外でのトコジラミ被害の増加との関係があると思われます。
近年、アメリカやカナダ、オーストラリア、EU諸国などでトコジラミ被害の増加が顕著に表れています。特にニューヨークでは2010年の市保健局への苦情件数は12,768件にも上り、ニューヨークの家庭の10人に1人が被害を受けているとも言われています。
観光ビザの緩和や円安などが追い風となり、2003年に521万人だった訪日外国人旅行者は2013年には1000万人を突破しました。
同時期に海外でのトコジラミの大発生が起こったため、訪日する外国人旅行客の荷物や衣服にトコジラミが付着したまま日本へ持ち込まれたものと考えられます。
また2020年の東京オリンピック開催が決定したことにより、今後更なる増加は確実視されています。トコジラミに関しても増加の可能性が非常に高いので、十分な注意が必要です。
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現在は日本国内で増加中
- 2~3年前は外国人の宿泊するホテルや旅館等の宿泊施設からの駆除依頼が非常に多かったのですが、最近は一般家庭からのご依頼が非常に増えています。戸建住宅やアパート、マンションなど、建物の構造に関係なくトコジラミ被害の相談が増加傾向にありますが、「ここ何年も海外には行っていない」という相談者の方が非常に多いです。
これは“海外⇒日本”という図式を超え、“日本人⇒日本人”というルートでトコジラミが移動し繁殖していることを示しています。
日本国内での宅配便等での荷物に紛れ込むケース、泊まった国内の宿泊施設から持ち帰ってくるケースなど原因はさまざまです。
また最近では貧困者支援対策用の簡易宿舎やグループホーム、社員寮や学生寮などの共同生活をする建物で多数の人が同時にトコジラミに悩まされるケースが目立ちます。
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トコジラミの生息場所
トコジラミの被害・症状
- 夜行性のトコジラミは、人が眠っている時に首まわりや腕、足などの露出している部分を刺して吸血します。トコジラミは成虫、幼虫ともに人から吸血し、自分の体重の3~6倍もの量の血液を摂取するため、吸血後は平たい体がパンパンに膨らみます。そして刺されると激しい痒みに襲われるのです。
~トコジラミに刺された場合の特徴~
■初めて刺された場合あまり痒くないが、2度目以降はアレルギー反応により、激しい痒みに襲われる。
■刺された当日より2日目以降の痒みが激しい。
■刺されたあと(赤い斑点)が1~2週間以上も消えないで残る。
刺された時の症状には個人差がありますが、激しい痒みにより、睡眠不足になる方やリンパ腺の炎症による発熱などを起こす方もいます。
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