全然観に行く気はなかったんです。
だって主人公が高校生って。もうそんなティーンエイジャーの恋愛物語には乗れない、そんなアラフォーですから。
イマドキの少女漫画とかもめっきり読めなくなっちゃって、闇のパープルアイにほっとする世代なの。
しかしこれ、単なる若人の青春映画じゃありませんでした!
ネタバレなしのあらすじ
これネタバレしちゃうともったいないので、さわりだけ。
この映画は、高校生の男女の体が入れ替わっちゃうっていう昭和な設定ではじまります。
『おれがあいつであいつがおれで』的な、私世代で言わすと、観月ありさといしだ壱成の『放課後』みたいな。
ただね、この映画では主人公たちは廊下の角でぶつかって入れ替わるっていうわけにはいかないんですよね。
立花 瀧(たちばな たき)くんは東京に住む男子高校生。
そして田舎町で暮らしながら都会に憧れる女子高校生が、宮水三葉(みやみず みつは)。
遠く離れた地で暮らす2人はお互いの存在を知らないんです。ある日目覚めると、入れ替わった世界を生きている。
「なんてリアルな夢なの」
どこの誰かも分からない人の人生を「夢」の中で体験し、そしてまた自分の世界に戻っていく。
眠りが引き金となって2人は互いに入れ替わりを繰り返し、そのうちに「これは夢じゃない」ということに気づいていきます。
実際に会うことのない2人がコミュニケーションをとるのは、瀧くんのスマホにある日記アプリ。
瀧くんになった三葉がここに憧れだった東京生活を綴り、いつしか交換日記のようなやり取りがはじまりました。
そして互いの人生を入れ替わりながら経験していくうち、会ったこともない相手が自分でも気づかないうちにかけがえのない存在になっていくのです。
でもこの感情に気づいた日から、なぜか2人の入れ替わりは起こらなくなってしまいました。
「会いたい」そんな思いで、2人は動き出します。
さて、ここまでなら単なるラブストーリーという感じですね。それでも十分に見応えがありましたが。
しかしここからがこの映画のすごいところ。それまでの軽快でポップな流れが一気に動き出します。
爆発するしね。
瀧くん号泣で、私も泣いた。
感想
若い男女のやりとりをただ楽しく見ていた、そこからの思いがけない展開。その意外性やスピード感に何度息を呑んだか。
どうなるの、2人どうなっちゃうの。この映画どうなっちゃうの。
朝の情報番組『スッキリ!』で加藤浩次さんが絶賛してたというだけで、おじさんが絶賛してるならおばさんもいけるんちゃう?と思っただけで見に行ったこの映画。
単なるラブストーリーじゃないわ、なにこれ。
これ言っちゃうとあれかなぁ。でもね、東日本大震災を彷彿とさせるものがあります。
たくさんの人が亡くなって、そこにはいっぱいの人生があって、そんなことを思い起こさせ胸が苦しくなりました。
それに気づいたとき、今まで見てきたそれが「あぁだから・・・」って全部つながって、その瞬間にぶわぁぁっていろんな思いが胸に湧き上がりました。
辛い、怖い。頑張れ、お願い。
物語では三葉が髪に結んでいる”組紐”がキーになってきます。何本もの糸を絡ませて作られた組紐は人生のよう。
幾多の人と人、そして時間が織りなすつながり、私はちゃんとそれを大切にできているだろうかって考えさせられる映画でした。
いつもはガラガラの田舎の映画館が珍しく賑わっていて、エンドロールが流れても誰も立ち上がろうとしなくて、余韻がすごくて。
ひとりだったから語り合いたくて、近くのひとり映画の人に「このあとお茶でもどうですか?」って声かけたい衝動にかられました。かけんけどね。
子ども向けにはどう?
さてさて、親として気になるのは「子どもはどうかしら?」ってことですよね。
アニメーション映画ではありますが、未就学児や小学校低学年にはストーリーを理解するのは難しいかと思います。
入れ替わりがあったり、過去を回想したりするシーンが多様されているので、うちの長男(小2)は確実に混乱するパターンです。
ただ映像美やその迫力は、子どもも引き込まれるでしょう。
なので、ストーリーが多少理解できなくても、そういった臨場感を味わうだけでも良しと思います。
小学校高学年にもなれば、完全にとは言わなくても理解できるでしょう。
RADWIMPSの曲も良かったけど
この映画で流れる音楽はすべてRADWIMPSが手がけています。
ら、らっど・・・ラッドウィンプスって読むらしいです。あー、吉高由里子と噂になってた人かってそんなゴシップしか知らなくてすみません。
曲もまたすっごくすっごく良かったんですが、私はずっとBUMP OF CHICKEN(バンプ オブ チキン)だと思ってました。