福井市と友好都市提携する韓国・水原(スウォン)市の廉泰英(ヨムテヨン)市長が、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像をドイツに設置することで現地の市長と合意したと、韓国紙が報じたことが7日までに分かった。福井市は同日、日韓合意に反する恐れがあるとして、近く廉市長宛てに真意を問う文書を送る方針を固めた。返答の内容によっては、10月に予定している東村新一福井市長の水原市訪問を中止する可能性もあるという。
福井市国際室が6日、韓国紙の中央日報のネットニュースで報道を確認した。報道によると廉市長が今年5月、姉妹都市提携しているドイツのフライブルク市長に、慰安婦被害を記憶しようとの趣旨で、同市への少女像の共同設置を提案。国連が定めた「人権デー」の12月10日に、同市中心部に少女像を設置することで合意したらしい。少女像設置が実現すれば、欧州では初めてだという。
福井市は2001年に水原市と友好都市提携を締結。職員の相互交流を行っている。11、12年には竹島問題などの影響で水原市長の来福が取りやめとなったことがあった。
東村市長は10月7〜9日、水原市の世界遺産「水原華城(ファソン)」にちなんだ催しに合わせ、同市を訪れる予定。今回の少女像設置の理由が日韓合意に沿わない場合などは、訪問中止を検討することもあり得るとしている。宮下和彦・市観光文化局長は「今のところネットの情報だけで、報道の真偽すら分からない状況。報道の内容が事実なのか、どういった意図で少女像設置を考えているのか、文書を送り確認したい」と話している。
ラオスで7日午後(日本時間同)に開かれた日韓首脳会談でも、慰安婦問題を巡る昨年末の日韓合意の着実履行を確認したもようだ。