対北朝鮮の対応強化 慰安婦合意、着実に実施
【ビエンチャン影山哲也】ラオスを訪問中の安倍晋三首相は7日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領とビエンチャンで会談した。両首脳は北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難し、日米韓3カ国が緊密に連携する方針を確認した。首相は慰安婦問題に関する昨年末の合意に関し、ソウルの日本大使館前の慰安婦を象徴する少女像の移転に向けた韓国側の取り組み強化を要請した。両首脳は合意を着実に実施し、未来志向の関係構築に向けて協力する考えでも一致した。
両首脳の会談は今年3月以来3回目。5日の北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、首相は「日米韓で連携して北朝鮮への圧力を強化すべきだ」と対抗措置の協力を呼びかけた。朴氏も「北朝鮮対策を強化する必要がある」と応じた。
国連安全保障理事会は6日、ミサイル発射を非難する報道声明を出しており、両首脳は安保理での対応を含めて協力する方針で一致した。首相は「日韓、日米韓の安保・防衛協力の強化は不可欠だ」とも指摘。日本が支持を表明している在韓米軍への地上配備型迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の配備について、朴氏は「北朝鮮の脅威に対応するための安全保障策として必要だ」と説明した。
首相は、韓国側が設立した元慰安婦支援のための「和解・癒やし財団」への10億円拠出を先月末に終えたと説明。「日本は合意を守っていく。韓国政府においても少女像の問題を含め、合意の着実な実施に向けた努力をお願いしたい」と述べた。朴氏は「合意を着実に実施することが重要だ。未来志向の関係に向け、共に協力したい」と語った。
首相は日中韓首脳会談の年内開催に合わせた朴氏の訪日を要請。朴氏は「再会を楽しみにしている」と応じた。2018年平昌冬季五輪、20年の東京五輪での相互協力も確認した。