韓中首脳会談が開催された当日、北朝鮮はまたも「ノドン」とみられる中距離弾道ミサイル3発を東海(日本海)に向けて発射した。ノドンは有事の際、韓米両軍の主要施設、あるいは米国からの援軍がやって来る港湾などを攻撃するもので、この日の発射は全て成功した。ところが韓国は北朝鮮の数十倍の国防費を使っているにもかかわらず、北朝鮮のミサイル攻撃を確実に阻止できる迎撃手段を持ち合わせていない。北朝鮮が核兵器を開発し、ミサイルの技術レベルをここまで引き上げてきた過去20年間、韓国の大統領や国防長官、韓国軍将校らは一体何をやってきたのか改めて問い直さざるを得ない。
このように韓国は北朝鮮の脅威に独自で対処できないため、THAAD配備はまさに避けられない選択だ。これは誰もが理解できるだろうし、否定もできないはずだ。ところが韓国政府がTHAAD配備を正式に発表してからすでに2カ月が過ぎたが、実際の配備先は今なお決められていない。誰もが口では安全保障の重要性を叫んではいるが、実際に自分の利益と少しでも関わってくると頭を丸めて反対を叫び始める。電磁波の影響などないことを示す科学的な実験結果を提示し、いくら論理的な説明を繰り返しても、彼らにとっては何の意味もない。彼らはTHAADが配備されれば何となく気持ち悪いし、また自分たちが所有する不動産価格が落ち込むから反対するという。このような韓国国内の現状を周辺国は当然把握し、今後の推移に注目している。利害が異なる国の中にも相手を尊重する国と軽視する国があるものだ。