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夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。

「キャロル」:パトリシア・ハイスミスの半自伝的小説に基づいた、1950年代のレズビアンのリアルで美しく完成度の高い恋愛ドラマ映画

アメリカ映画

「キャロル」(原題:Carol)は2015年公開のアメリカのドラマ映画です。パトリシア・ハイスミスが1952年に発表した小説「The Price of Salt」(後に「Carol」(邦題「キャロル」)に題名変更)を原作に、トッド・ヘインズ監督、ケイト・ブランシェットルーニー・マーラら出演で、1950年代のニューヨークを舞台に、厳しい離婚の道を選ぶ人妻キャロルと、彼女に心を奪われた女性テレーズとのせつない恋愛が描かれています。第68回カンヌ国際映画祭で女優賞(ルーニー・マーラ)を受賞、第88回アカデミー賞では、主演女優賞(ケイト・ブランシェット)、助演女優賞ルーニー・マーラ)にノミネートされた作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:トッド・ヘインズ
脚本:フィリス・ナジー
原作:パトリシア・ハイスミス「The Price of Salt」(「Carol」(キャロル))
出演:ケイト・ブランシェット(キャロル・エアード)
   ルーニー・マーラ(テレーズ・ベリベット)
   サラ・ポールソン(アビー・ゲルハルト、キャロルの親友)
   カイル・チャンドラー(ハージ・エアード、キャロルの夫)
   ジェイク・レイシー(リチャード、テレーズのボーイフレンド)
   コーリー・マイケル・スミス(トミー、セールスマン)
   ジョン・マガロ(ダニー、ニューヨーク・タイムズの記者)
   キャリー・ブラウンスタイン(ジュヌヴィエーヴ・キャントレル)
   ほか

あらすじ

1952年、ニューヨーク。将来、写真家になることを夢見てマンハッタンに出て来たテレーズ(ルーニー・マーラ)は、デパートの玩具売り場でクリスマスシーズンのルバイトをしています。テレーズには、なかなか結婚には踏み切れないでいるリチャード(ジェイク・レイシー)という恋人がいます。そんなある日、テレーズの前に、娘へのクリスマスプレゼントに人形を探している女性キャロル(ケイト・ブランシェット)が現れます。エレガントで洗練された稀に見る美しさと気品を持ち、裕福そうなのにどこかに寂しさを湛えた、ミステリアスな雰囲気を醸す彼女に、テレーズはたちまち心を奪われてしまいます。キャロルは、ショーウィンドーに置き忘れた手袋をテレーズが届けたのをきっかけに、彼女を昼食に誘い、また自宅に迎え、テレーズは恋人リチャードと逢うときにはない高揚感を覚えます。

ふたりの関係は次第に濃密なものとなり、テレーズはキャロルが関係の冷めた夫ハージと娘の親権を巡って泥沼の争いをしていることを知ります。二人の関係を疎ましく思ったハージはキャロルから親権を奪う申し立てをします。元より親友のアビー(サラ・ポールソン)と親密すぎる仲だったことも含め、テレーズとの交際を重ねる彼女は母親に相応しくないとします。自暴自棄でテレーズに八つ当たりをしたキャロルでしたが、深く詫びるとともに、別居中の夫に娘を取られて孤独なクリスマス休暇に車での小旅行につきあってほしいとテレーズに訴えます。婚約者からの求婚のプレッシャーや、これからのキャリアに対する不安からストレスを感じているテレーズは生まれて初めて本物の恋をしていると実感し、キャロルを責めることもなく同行に同意、キャロルがハンドルを握る車に乗り込みます・・・。

レビュー・解説

緻密に計算され、自然かつ、抑制された演技・演出で女性同士の愛を描き、さらに精神の解放と成長まで描く本作は、同性愛であることさえ忘れ、エンディングに向けて二人の幸せを願わずにはいられない、完成度の高い恋愛ドラマ映画です。

 

LGBTの長い戦いの後、2015年にアメリカの連邦最高裁判所同性婚を認める判断を示しましたが、この映画の舞台となる1950年代は、同性愛は犯罪であり、精神病でした(イリノイ州がアメリカで初めて刑法からソドミー法を除いたのが1962年、 アメリカ精神医学会が疾患に関するハンドブックから同性愛を除いたのが1973年)。そんな暗い時代の同性愛を、美しく、素晴らしいものにしているのは、知的で抑制が効きつつ、解放、成長するキャラクター設定と、言葉のみならず、視線や表情、仕草などによる、緻密で繊細な感情表現です。キャロルは自尊心の強い、独立した強い女性で、大胆不敵でユーモアがあり美しく、テレーズは自分でメニューも決められらない、優柔不断で、朴訥な可愛らしい女性という、惹かれ合って不思議のない性格です。さらに、恋愛の起承転結だけを描くだけではなく、精神の解放、人間としての成長をも描いており、時代や性別を超えた非常に完成度の高い恋愛ドラマ映画になっています。英国映画協会の「The 30 Best LGBT Films of All Time」のトップにランクされたこの映画は、これまでの見た同性愛を描いた映画の中で、最も自然さを感じさせる作品です。

生まれて初めて本当に人を好きになる、狂うほどに人を愛するという、普遍的なラブストーリーであることに、性別も何もかも超えて共感できる。それがこの映画の最大の魅力だと思うの。(ルーニー・マーラ

テレーズは失恋と痛手を乗り越えるために強くならなければならなかった。そして彼女は変わる。彼女はもう映画の冒頭の彼女ではない。そして心を開放することがどれだけ大切なことか気づいているのがキャロルなんだ。(トッド・ヘインズ監督)

 

オープニングで男が街を歩いてホテルに入り、レストランでお茶を飲んでいるテレーズを見かけ、声をかけます。テレーズと一緒にいたキャロルが立ち上がり、テレーズの肩に手を置きます。テレーズが、肩に置かれたキャロルの手を見つめ、キャロルは立ち去ります。テレーズもコートを手に立ち上がり、夜の街を走る車の中のテレーズが映し出されます。

 

続いて、カメラはキャロルとテレーズの出会いのシーンに映し出します。二人は出会った時に、明らかに運命的なものを感じているのですが、演技は巧み抑えられています。もちろん、同性愛が犯罪で精神病の時代ですから、傍目にもわかるような熱い眼差しで見つめ合うようなことはしませんし、二人はまだ「恋愛」とは認識していません。強く惹かれるものを感じながら、それを抑えつつ、普通の会話をしている、そんな感じの絶妙なパフォーマンスです。二人の関係は単なる友情ではなく性愛を伴うもので、中盤を過ぎてから一度だけとても美しいベッドシーンがあります。そこに至るまで、二人はお互い抑えながら、徐々に親密になっていくのですが、微妙な視線や表情、仕草で表現されるその過程がとてもリアルです。

世界には彼女の気持ちや望みを表す手本がなく、想像することすらできないのだ。恋愛でそんな状態になったら、50年代のレズビアンでなくても、言葉が見つからず、何とか言葉をでっちあげるが、言葉は役にすら立たないと思う。(トッド・ヘインズ監督)

彼女(キャロル)の生きる世界というのはとても抑制されているから、感情は常にほのめかすことしかできない。だから演技のプロセスとしては、そうした抑制されたものを演じる繊細な作業だったわ。(ケイト・ブランシェット) 

 

さらに、終盤、キャロルとテレーズが再びお茶を飲むシーンがあります。テレーズの知人がテレーズに声をかけ、キャロルが立ち去り際にテレーズの肩に手を置きます。観客は、オープニングのシーンを視点を変えて捉えたものであることに気づき、これが二人の決別のシーンであることを直感します。「逢びき」(1945年)へのオマージュだそうですが、ものすごい演出です。そして、この場では言葉にならない様二人の々な思いが、微妙な視線や表情、仕草などで、激しく交錯しているのです。

ある意味自分にとっては、この役をどう演じるか、他のシーンをどう演じるかが、ここで決まるように感じていました。何も起きていないように見えるのですが、その瞬間に全てが起きている・・・。なので、いかに抑制をきかせるかが大切。(カメラ位置の関係で)ルーニーとお互いに目線をあわせることができなかったので、技術的にも難しかったわ。(ケイト・ブランシェット

 

観る前は女性監督の方が良かったのではないかと思っていましたが、この映画の緻密で繊細な演出に、見事にその偏見を打ち砕かれました。50年代のアメリカの街並みや車、ファッション、16ミリで撮った映像の色合いも、目にしみます。

まるで女性が監督した、と言えるくらい。映像に男性的な視点は一切感じない。トッドは女性のことをよく理解していて、女性に対する警戒心もない。いかに女性を撮影するかを心得ている。稀なことだと思う。(ルーニー・マーラ

 

トッド・ヘインズ監督の演出もさることながら、ケイト・ブランシェットルーニー・マーラなくしてこの映画を語ることはできません。本作公開の7年前から出演が決まっていたというキャロル役のケイト・ブランシェット

と、アカデミー賞の常連大女優で、本作でも若いテレーズを惹きつける年上の魅力的な女性を見事に演じています。 1969年5月生まれの彼女は、今年で47歳。80歳を超えても健在な大女優ジュディ・デンチのようにさらにキャリアを積んでいくと思われますが、50歳を過ぎた女優が主演する映画はほとんどないと言われる映画界での、今後の動向が注目されます。

 

テレーズ役のルーニー・マーラは、自尊心の強い、独立した強い女性で、大胆不敵でユーモアがあり美しいキャロルに対して、自分でメニューも決められらない、優柔不断な、朴訥で可愛らしい女性を見事に演じています。彼女は、「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)で主人公の恋人役を演じて注目を集め、「ドラゴン・タトゥーの女」(2011年)でアカデミー主演女優賞ノミネート、本作でもアカデミー助演女優賞にノミネートされています。アメリカ女優には珍しく華奢で童顔、日本でも人気の女優ですが、ハリウッドでは可愛いだけではとてもやっていけません。「ドラゴン・タトゥーの女」(2011年)で見せた体当たり演技、「サイド・エフェクト」(2013年)で見せた観客をも欺くほどの演技力は素晴らしく、監督の評価も非常に高い女優です。とは言え、大女優のケイト・ブランシェットの相手役として共演するのは大変な事だったようです。ルーニー・マーラは13歳の時に「エリザベス」(1998年)を観てから、ケイト・ブランシェットの大ファンで、彼女との共演は「夢が叶う」以上のものだったと語っています。

彼女の全作品が好き。技術的に優れたリアルな演技、なぜ彼女にインスパイアされるのか、言葉で説明するのは難しいけれど。

ケイトと共演することが決まったとき、最初は本当に怖かった。だって、彼女は本当に私の憧れだったから。彼女の出演するすべての映画を映画館に観に行き、ただ彼女に憧れて女優の道を選んだのだから。(ルーニー・マーラ

男性とのラブシーンとの違いについて尋ねられたルーニーが、「ケイトの肌は男性と比べて柔らかかったから、とてもドキドキしたわ」と話すと、ケイトは「あなたのためだけに、胸毛をワックス脱毛したからよ」と冗談で答え、それを聞いたルーニーは顔を真っ赤にしていたそうです。二人の関係を象徴するようなエピソードです。

 

本作は、当初、ケイト・ブランシェットミア・ワシコウスカの共演で制作発表されました。二人ともオーストラリア出身で面白い組み合わせですが、実はそれに先駆け、ルーニー・マーラにも脚本が送られており、「ドラゴン・タトゥーの女」の撮影を終えたばかりで疲労困憊していた彼女は出演を辞退していた経緯があります。扱っているテーマ故、資金がなかなか集まらず、制作に時間がかかったり、監督が変わったりする中、ミア・ワシコウスカのスケジュールが合わなくなり、ルーニー・マーラのが再浮上したようです。テレーズ役の第一選択が誰であったかはわかりませんが、ルーニー・マーラは単なるミア・ワシコウスカのリリーフではないことは想像に難くありません。

 

ケイト・ブランシェット(キャロル・エアード)

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ルーニー・マーラ(テレーズ・ベリベット)

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カイル・チャンドラー(ハージ・エアード、キャロルの夫)

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<オチバレ>

テレーズとの逢瀬の証拠に養育権の放棄を迫られたキャロルは、定期的な面会を条件に養育権の放棄をのむという、苦渋の決断をします。

CAROL:I’m no martyr. I have no clue... what’s best for me. But I do know... I feel, I feel it in my bones... what’s best for my daughter. (beat) I want visits with her, Harge. I don’t care if they’re supervised. But they need to be regular. (beat) There was a time... I would have locked myself away - done most anything... just to keep Rindy with me. But... what use am I to her... to us... living against... my own grain? Rindy deserves - joy. How do I give her that not knowing what it means... myself.

キャロル:私は殉教者じゃないし、何が私にとって最善なのかもわからない。でも、娘にとって何が最善なのか私は知っている、骨の髄から感じている。(間)私は彼女に会いたいの、ハージ。監視付きでも構わないわ。でも、定期的に会わせて。私は閉じこもり、リンディを手元に置くためにありとあらゆることをやったこともあるわ。でも、私が自分の性質に背いて、彼女や私たちの役に立つの?リンディは楽しんでしかるべきだけど、私自身が喜びの意味を知らずに、彼女にそれを教えることなんてできない。 

同性愛は犯罪、精神病で、更生、もしくは矯正しなければ、子供を育てられない時代の、ギリギリの決断だったのではないかと思います。

<オチバレ終わり>

 

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原作者パトリシア・ハイスミスと「キャロル」

原作者のパトリシア・ハイスミスはアメリカの作家で、彼女の長篇第1作「見知らぬ乗客」がヒッチコックにより映画化され、長篇第3作「太陽がいっぱい」もヒット映画となり、ハイスミスは人気作家となりました。その後も、数多くの作品が映画化されています。

 

1948年のクリスマス、彼女がブルーミングデールズ(デパート)でアルバイト店員をしている時に、彼女から人形を買った、毛皮のコートを着た金髪の女性にインスパイアされてこの小説を書いたと言います。

多分、彼女が一人で、珍しいミンクのコートを着ていて、金髪で輝きを放っていたから、注目したんだと思う。私が見せた2、3個の人形のうちの1個を、思慮深く購入した。人形は近隣の州へ配達されるもので、伝票に氏名と住所を書いたわ。通常通りの支払いを済ませ、彼女は去った。私は妙な感じで、頭の中がぼうっとし、気を失いそうで、でも意識が高揚していた、まるで素晴らしいものを見たようにね。いつも通りに仕事を終えて、一人で住んでいた部屋に帰った私は、毛皮のコートを着た優雅なブロンドの女性について、アイディアとプロットをストーリーを、当時使っていたノートに手書きで8ページ書いたのよ。(パトリシア・ハイスミス

 

この話からもわかるように、テレーズは姿を変えたパトリシア自身と言われています(パトリシアには当時、映画同様に婚約者もいた)。パトリシアが触発された金髪の女性は、ニュージャージーに住むキャスリーン・センという女性でしたが、以降、キャスリーンとの接触はなく、キャロルのキャラクターは1940年代にパトリシアが交際していた、ヴァージニア・ケント・キャザーウッドという年上の女性をモデルにしています。ヴァージニアは映画同様、実際にホテルの部屋での同性愛の不倫を盗聴され、娘の親権を失っています。

 

ハイスミスらしく銃や探偵も出てきますが、彼女にしては珍しいこの半自伝的恋愛小説は、クレア・モーガンの名義で出版され、同性愛の人々を中心にベストセラーとなりました。当初のタイトル「The Price of Salt」は、旧約聖書の「ロトの妻の塩柱」(旧約聖書のソドムとゴモラの滅亡に関わる話で、ロトとその家族は神によって救われるが、逃げる途中に振り返るなと神に言われたのに、振り返ったロトの妻は塩柱にされた)に因んだものです。ロトの妻はキャロルで、テレーズ(同性愛の世界)を振り返った為に、親権を奪われた(家族の中でただ一人救われずに、塩柱にされた)た、その対価について問うタイトルと思われます。実在の女性をモデルにした話であり、痛々しくもありますが、出版社の意向もあって採用されたタイトルです。すべてがキャロル(即ち、ハイスミスが愛する人)にまつわる話であることから、ハイスミス自身は、当初から「キャロル」というタイトルを好んでいました。彼女は38年間、自分が作者である事を否定し続けましたが、1990年に作者が自分であることを明かすと同時に、タイトルを「キャロル」に変更しています。

撮影地(グーグルマップ)

設定はニューヨークですが、撮影は主にシンシナティで行われています。

関連作品

「キャロル」の原作本Amazon

  パトリシア・ハイスミス「キャロル」

    Patricia Highsmith "Carol"

 

パトリシア・ハイスミスの映画化作品のDVD(Amazon

  「見知らぬ乗客」(1951年)

  「太陽がいっぱい」(1960年)

  「アメリカの友人」(1977年)

  「リプリー」(1999年)

  「リプリーズ・ゲーム」(2002年)

  「ギリシャに消えた嘘」(2014年)

 

ケイト・ブランシェット出演作品のDVD(Amazon

  「エリザベス」(1998年)

  「理想の結婚」(1999年)

  「リプリー」(1999年)

  「ロード・オブ・ザ・リング」三部作(2001年-2003年)

  「アビエイター」(2004年)

  「あるスキャンダルの覚え書き」(2006年)

  「ブルージャスミン」(2013年)

   「シンデレラ」(2015年)

 

ルーニー・マーラ出演作品のDVD(Amazon

  「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)

  「ドラゴン・タトゥーの女」(2010年)

  「サイド・エフェクト」(2013年)

  「her/世界でひとつの彼女」(2013年)

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