郷富佐子@キャンベラ
2016年9月7日17時00分
■南十字星の下で
7月の総選挙後、初めて開かれたオーストラリア下院で9月1日夜、「珍事」が起きた。
野党・労働党が出した動議が、立て続けに3回も可決されてしまったのだ。下院で過半数を確保している与党が採決で負けたのは1962年のメンジス政権以来、54年ぶりだという。どうして、こんな事態になったのか。
理由はずばり、「与党の多くの下院議員が帰ってしまったから」。日本人からみるとにわかには信じがたいが、オーストラリアでは、「残業=悪いこと」という意識が非常に強い。このあたりの事情を知っている人には、わかってもらえると思う。
そもそも、オーストラリアの議会は会期がとても短い。2015年を例に取ると、1年間で上院が開催されたのは60日、下院でも75日だけだ。とはいえ、議員が怠けているわけではない。国土が日本の約20倍もあるため、全国から議員たちが首都キャンベラに集まるだけでも大変なのだ。
たとえば、西オーストラリア州パースからキャンベラに行くには、飛行機で片道約5時間もかかる。年間で60~75日しか滞在しないのに、わざわざ家を買う必要も経済的余裕もない、と考える議員の多くは仲間同士でアパートを借りたり、ホテルに滞在したりする人がほとんどのようだ。
議会は通常、月曜から木曜まで…
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