こんにちは、NAEです。
日本組織の旧態依然な縦割り体質が色濃く描かれているというシン・ゴジラ。
観る人の心を打つ名だたるセリフはもちろんドメドメの日本謹製(日本語)です。
そんなセリフをゴリゴリの外資コンサルがグローバルの視点でパラフレーズしたらどうなるのか?
今回はそんなお話。
シン・ゴジラの名セリフ集
引用元はこちらのページ。シン・ゴジラの名セリフをまとめています。
ここから、いくつかピックアップしていきます。
前置き不要、さっそくいってみましょう。
日本国の中枢の面々
まずは日本国を司る中枢の面々にご登場いただきましょう。
大臣・長官レベル
トップは最も責任ある立場の大臣・長官レベルの方々。
立場が立場なだけあって、言っていることの重さは他の追随を許しません。
しかし、米軍の攻撃が都内で始まる! 私にはここで、その推移を見極める義務がある。それに都民を置いて、我々だけ逃げ出すことはできん!
大河内清次 内閣総理大臣(大杉漣)
「USのアタックが都内でローンチする!私にはここで、その進捗をトラッキングするミッションがある。それにステークホルダーを置いて我々だけイクジットできん!」
上場ゴールを思い出します。
総理、ここは苦しいところですが、被害の拡大を防ぐためにも、総理のご決断をいただかないと。
東竜太 内閣官房長官(柄本明)
「ボス、タフなシチュエーションですが、ダメージ拡大をミニマイズするためにも、ボスのデシジョンが必要です。」
スパイ映画チックですね。
しかし、現場が人口密集地です。今は攻撃より避難を優先すべきです。
花森麗子 防衛大臣(余貴美子)
「しかし、現場はポピュレーションエリアです。今のプライオリティはアタックよりエバキュエーションです。」
ライス元米国国務長官に言わせたいセリフ。
避難とは、住民に生活を根こそぎ捨てさせることだ。簡単に言わないでほしいなぁ。
里見祐介 内閣総理大臣臨時代理、農林水産大臣(平泉成)
「エバキュエーションとは、メンバーのQOLをペンディングさせることだ。シンプルに言わないでほしいなぁ」
一気に緊張感がなくなりました。
副長官・補佐官レベル
続きまして、次に偉い人々です。といっても、矢口蘭童だらけですね。
大臣、先の戦争では旧日本軍の希望的観測、机上の空論、こうあってほしいという発想などにしがみついたために、国民に300万人以上の犠牲者が出ています。根拠のない楽観は禁物です。
矢口蘭堂 内閣官房副長官(長谷川博己)
「ボス、前段プロジェクトではメンバーの甘いフォアキャスト、しみじみしない仮説、高すぎるエクスペクテーションにスティックしたために、プロジェクトに300万円以上の赤字が出ています。根拠レスなオプティミズムは禁物です。」
できる現場プロマネ的な。
牧元教授はこの事態を予測していた気がする。彼は荒ぶる神の力を解放させて、試したかったのかもしれない。人間を、この国を、日本人を。核兵器の使用も含めて、どうするのか「好きにしてみろ」と。
矢口蘭堂 内閣官房副長官(長谷川博己)
「牧さんはこのシチュエーションを予測していた気がする。彼は荒ぶる神の力を開放させて、テストしたかったのかもしれない。人間を、ジャパンを、日本人を。核兵器の使用も含めて、どうするのか「好きにしてみろ」と」
人にはさん付け、日本をなぜかジャパンと呼びたがる外資コンサル。
我が国の最大の力は、この現場にある!
矢口蘭堂 内閣官房副長官(長谷川博己)
「ジャパンのストレングスは、このオフィスにある!」
日本をなぜか(略
だが、今は辞めるわけにはいかない。事態の収束にはまだ……ほど遠いからな。
矢口蘭堂 内閣官房副長官(長谷川博己)
「だが、今はウィズドローするわけにはいかない。オポチュニティのクローズにはまだ……ほど遠いからな」
新たなプロジェクトの締結は生みの苦しみ。
スクラップ&ビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる。
赤坂秀樹 内閣総理大臣補佐官・国家安全保障担当
「ゼロベース思考でジャパンは成長してきた。今度もカットオーバーできる。」
現場を知らない炎上プロジェクトの責任者が言いそうなやつ。
部課長以下レベル
だんだん現場に近くなってまいりました。
そろそろみなさん大好きな尾頭さんも登場しますよ。
おう、幹事長なら任せとけ。
泉修一 保守第一党政調副会長(松尾諭)
「おう、プロマネなら任せとけ。」
尻叩きだけのなんちゃってプロマネにはならぬよう。
ま、便宜上私が仕切るが、そもそも出世に無縁な霞ヶ関のはぐれ者、一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児、そういった人間の集まりだ。気にせず好きにやってくれ。
森 厚労省医政局研究開発振興課長(津田寛治)
「ま、ロール上私がリードするが、そもそもプロモーションキャンディデートではないダイバーシティあふれるメンバーの集まりだ。気にせず好きにマネージしてくれ。」
株式上場企業の管理職としてはダイバーシティと言わないといろいろまずいので。
ゴジラより怖いのは、私たち人間ね。
尾頭ヒロミ 環境省自然環境局野生生物課長補佐(市川実日子)
「GODZILLAよりリスキーなのは、私たち人間ね。」
Hiromiさんですね。
あーっ! あーっ! わーっ! こんなんアリかよーっ!
安田 文科省研究振興局基礎研究振興課長(高橋一生)
「あ?あ?わーっ?マジで言ってんの?」
外資に限らずコンサルは前のめり。
自衛隊・戦闘要員の面々
いよいよ後半です。
戦線に近い方々。
礼はいりません。仕事ですから。
財前正夫 統合幕僚長(國村隼)
「スモールサンキューとか別にいいですよ。自分のレスポンシビリティですから。」
一気にムカつく感じになりました。
気落ちは不要、国民を守るのが我々の仕事だ。攻撃だけが華じゃない。住民の避難を急がせろ。
西郷 タバ戦闘団長(ピエール瀧)
「気落ちは不要、メンバーを守るのが我々のロールだ。アタックだけがメインじゃない。メンバーをクイックにエバキュエーションさせろ」
完全にUSアーミーです。
いえ、ローテで行きます。皆、入隊したときから覚悟はできています。
木更津駐屯地の自衛隊員
「いえ、ローテでエグゼキュージョンします。皆、ジョインしたときからコミットしています」
ベンチャーまわりで入社をジョインと呼ぶのが流行っている昨今。
外タレ軍団・その他
最後です。
人間を信じましょう。
ドイツのスパコン施設の人(Inge M)
「人間を信じましょう。」
短すぎて言い直しようがありません。
だからこそ今は戻らない。祖母を不幸にした原爆を、この国に3度も落とす行為は、私の祖国にさせたくないから。
カヨコ・アン・パタースン 米国大統領特使
「だからこそ今はリターンしない。祖母をアンハッピーにした原爆を、ジャパンに3度も落とすアクションは、私のホームにさせたくないから。」
正直、少し無理がありました。
多種多様ですな、人の世は。
早船 フリージャーナリスト(松尾スズキ)
「ダイバーシティですな、人の世は」
ダイバーシティ(2回目)
私は好きにした。君らも好きにしろ。
牧悟郎 元城南大学統合生物学教授
「好きなようにしてください。」
まとめ:シン・ゴジラもいいけどハリウッド版もね
というわけで、好きなようにしてくださいでした。
ちなみに冒頭の画像は1998年ハリウッド版のゴジラ(GODZILLA)です。2014年版じゃありません。
当作品のゴジラはいわゆるゴジラではなくGODZILLAという別物。乙武(おとたけ)とZ武(ズィーブ)くらいの差があります。
だって最後、吊橋に絡まったところをミサイル何発も打ち込まれて死ぬんですから。興味があるかたはぜひどうぞ。
今回は以上です。
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