視覚障害者が駅で感じる危険は アンケートまとまる

視覚障害者が駅で感じる危険は アンケートまとまる
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視覚障害のある男性が都内のホームから転落して死亡した事故を受け、視覚障害者が駅で感じる危険についてアンケート調査が行われ、ホームと車両との間の隙間や段差を挙げる声が多く寄せられました。アンケートを行った「日本盲人会連合」は、指摘が多く出た駅の構造を調べ、鉄道各社に改善を求めることにしています。
視覚障害者が駅のホームから転落する事故は後を絶たず、先月15日には盲導犬を連れた男性が東京メトロ・銀座線の「青山一丁目駅」のホームから転落して電車にはねられ、死亡しました。
事故を受けて、「日本盲人会連合」は、視覚障害者を対象に、都内で危険を感じる駅や理由についてアンケート調査を行い、57人から回答を得ました。

複数回答で、最も多い10人が危険だと感じているのはJR中央・総武線の飯田橋駅で、その理由として、「ホームが曲がっていて、停車した電車との間が広く空いている」とか、「場所によってホームと電車との高低差が大きく、足を踏み外しやすい」などの指摘が出されました。
また、8人が指摘したJR新宿駅では、点字ブロックに関する意見が多く、「ブロックの上を歩いて行くと柱にぶつかる」とか「工事中の場合、床にシートが敷いてあり、ブロックが分かりづらい」など、JR渋谷駅でも「ホームと車両の間に大きな段差ができる場所がある」といった声が挙がりました。
今回のアンケートで危険を感じると指摘されたのは都内のJRや私鉄、地下鉄の合わせて55の駅で、転落を防ぐホームドアの設置のほか、駅の監視員を増やしてほしいという要望も多く出されました。

これについて、JR東日本サービス品質改革部の鈴木寛幸課長は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、ホームの改良工事などに取り組んでいきたい。それまでの間、視覚障害者の方には乗り降りの付き添いなど、十分なサポートを行いたい」と話していました。
日本盲人会連合の竹下義樹会長は、「視覚障害者の事故は先月の事故で最後にしたい。鉄道会社や国が何をすべきか、議論を重ねていきたい」と述べ、指摘が多く出た駅を中心に構造を調べ、鉄道各社に改善を急ぐよう求めることにしています。