激論がつづいていた。先輩社員と楽しいランチを終え、僕が少年時代にターザンごっこをして、木に激突、気絶、病気へ搬送された
と武勇伝を話して「病院から救急車が来て額を5針縫ったんです」というところで普段にこやかな先輩社員が目を三角にして言った。
「何言ってんの?」
「は? 何って、なんですか?」
「救急車は消防署から来るんだぞ?」
「んなわけないでしょ。病院ですよ」
「お前、本気で言ってる?」
「先輩こそ、正気ですか? 僕、ブロガーですよ? まだ半年だけど毎日更新してるから普通の人よりちょっと物知りっていうか」
「ブロガーなら今すぐググれ!」
「病院に決まってるでしょ!ったく!もし、消防署だったら、そこに落ちてるシリカゲル、全部、食わせますからね!」
「ほう、違ったら、お前が食えよ?」
「分かってるわい!」
怒りに震えながら、スマホで検索した。
『救急車 病院』
「なん、、、だと?」
救急車は消防署の管轄です。V(^_^)V
byグーグル先生
「どーもすみませんでした!」
コンビニのテーブルに額をこすりつけ、一番高いデザートで手打ちにしてくれと、お願いした。頑として首を縦に振らないバカ先輩。
僕は消防署から来た救急車に乗せられ病院に担ぎ込まれた。(490字)