町立図書館1878冊誤廃棄…漱石全集初版本も
石川県穴水町の町立図書館が、県輪島漆芸美術館の四柳嘉章館長(70)から寄贈された蔵書2179冊のうち、1878冊を誤って廃棄していたことが6日分かった。
町は四柳館長に直接謝罪し、町発行の「広報あなみず」9月号でおわびを掲載した。
町教育委員会などによると、蔵書は2005年に四柳館長と妻英子さんの連名で贈られた雑誌1403冊と単行本776冊。07年3月の能登半島地震で蔵書を倉庫や仮図書館に移した際に、手狭だったことから当時の職員が蔵書の大半にあたる1878冊を軽率に廃棄してしまったという。四柳館長が今年7月、図書館を訪れて廃棄に気付いた。
四柳館長によると、廃棄された本の中には「夏目漱石全集」の初版本や漆器考古学の調査報告書など現在は入手困難なものもあり、「善意が裏切られ悲しい。地域の核となる図書館がその機能を果たせなかったことはやるせなく、妻に申し訳が立たない」と話した。
町は再発防止のため、職員への教育と書籍の管理を徹底するとしている。同図書館の米田省一館長(61)は「大変申し訳ないことをした」と話している。
2016年09月07日 18時35分
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