フィリピン 中国船の活動場所示す情報を公開

フィリピン 中国船の活動場所示す情報を公開
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フィリピン国防省は、南シナ海のスカボロー礁の周辺で今月確認された中国の艦船10隻が具体的にどこで活動していたかを示す情報を新たに公開し、中国が埋め立てを始めるのではないかという観測が広がる中、具体的な情報を示すことでけん制する狙いがあるとみられます。
南シナ海のスカボロー礁周辺では、今月3日に中国の艦船10隻が集まっているのが確認され、フィリピン政府は、中国が基地などの建設のために埋め立てを始めるのではないかと警戒を強めています。
こうした中、フィリピン国防省は7日、確認された10隻がスカボロー礁周辺のどこで活動していたか具体的な場所についての情報を新たに公開しました。

それによりますと、中国海警局の船3隻が、スカボロー礁の北東側付近に展開していたほか、1隻は環礁の内側に停泊していたということです。
また、スカボロー礁の北側から北東側の比較的狭いエリアにも中国の船6隻が集中していたということです。

スカボロー礁では、中国が2012年に実効支配を始めて以降、周辺の海域に艦船を常駐させ、ことしに入ってからは測量とみられる活動が確認されています。
南シナ海をめぐる問題は現在、中国も参加してラオスで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議でも主要な議題となっていて、フィリピンとしては、具体的な情報を示すことで中国をけん制する狙いがあるとみられます。

中国「宣伝している意図を警戒」

中国外務省の華春瑩報道官は7日の定例の記者会見で、「状況に変化はなく、中国側は新しい行動はしていない」と強調しました。そのうえで、華報道官は「指摘されているような情報を誰かがまいて宣伝している意図を私たちは皆、警戒しなければならない」と述べました。