サハリンで大戦終結式典 軍事色薄まり日本に配慮か

サハリンで大戦終結式典 軍事色薄まり日本に配慮か
ロシア極東のサハリンで、第2次世界大戦で日本に勝利した日に合わせて記念の式典が開かれ、ことしは初めて軍の兵士による行進が行われないなど、軍事色が薄いものとなり、2日の日ロ首脳会談を前に、日本に一定の配慮をしているとの見方も出ています。
ロシア政府は6年前、日本が1945年に降伏文書に署名した9月2日を「第2次世界大戦終結の日」と定め、北方領土に近い極東のサハリンでは毎年、記念の式典を開いています。
サハリンの中心都市、ユジノサハリンスクの広場で2日開かれた式典には、地元政府の発表で、市民や退役軍人など、およそ1000人が参加しました。
この中で、サハリン州のデルノボイ副知事はサハリン南部と北方領土を含む島々について、「われわれが71年前に解放した」と述べ、第2次大戦の結果、ロシアの領土になったとする立場を強調しました。
ただ、ことしの式典では参加者が去年に比べて5分の1ほどに少なくなり、初めて軍の兵士による行進や軍幹部の演説も行われないなど、例年と比べて軍事色が薄いものとなりました。
この理由について、サハリン州政府は明らかにしていませんが、2日、極東のウラジオストクで行われる日ロ首脳会談を前に、日本に一定の配慮をしているとの見方も出ています。