三越千葉店と三越多摩センター店 来年3月閉鎖を発表

三越千葉店と三越多摩センター店 来年3月閉鎖を発表
大手デパートの三越伊勢丹ホールディングスは、業績が低迷している千葉市の「三越千葉店」と東京・多摩市の「三越多摩センター店」の2店舗を、来年3月で閉鎖すると発表しました。
発表によりますと、三越伊勢丹ホールディングスは千葉市の「三越千葉店」と、東京・多摩市の「三越多摩センター店」を来年3月20日で閉鎖するとしています。
三越千葉店は昭和59年に、三越多摩センター店は平成12年に、それぞれオープンしましたが、周辺の大型商業施設や専門店などとの激しい競争の中で業績の低迷が続いています。
2つの店舗の正社員やパート社員、およそ300人はほかの店舗などへの配置転換で対応する予定だということです。また、千葉市には外商やギフトを受注するため、現在の店舗の近くに外商やギフトを受注するためお得意様向けの小型店舗を設けるとしています。
三越伊勢丹ホールディングスは、衣料品の販売不振や外国人旅行客によるいわゆる“爆買い”の減速などを背景に、ことし4月から6月までの3か月間の最終的な利益が去年の同じ時期より43%余り減少していて、今後は東京都心にある主力の店舗の改装などで収益の改善を図ることにしています。
デパート業界では、「そごう・西武」が大阪府や茨城県などの合わせて4店舗で閉鎖を決めるなど、店舗の閉鎖で経営の建て直しを図る動きが相次いでいます。

厳しさ増すデパート業界

デパート業界では、三越伊勢丹ホールディングス以外でも、このところ店舗の閉鎖が相次いでいます。
そごう・西武が、ことし2月末で埼玉県春日部市の「西武春日部店」を閉鎖したほか、今月末から来年2月末にかけて、千葉県や北海道、大阪府、茨城県の合わせて4店舗の閉鎖を決めています。
また、阪急阪神百貨店は、大阪府堺市にある「堺 北花田阪急」を来年7月末で閉鎖することを決めています。

日本百貨店協会によりますと、全国のデパートの年間の売り上げのピークは、平成3年の9兆7130億円で、当時263店舗ありました。しかし、郊外型のショッピングセンターや専門店、そして、インターネット通販との競争で顧客を奪われ、去年1年間の売り上げは6兆1742億円余り、店舗数はことし7月末時点で236店舗まで減っています。

ここ数年は、中国などからの外国人旅行客が高額な時計や宝飾品を購入するいわゆる「爆買い」の効果で、大都市圏の店舗で売り上げを伸ばし、地方店の業績低迷を補ってきました。しかし、この外国人旅行客向けの販売も高額品から化粧品や医薬品など比較的、価格の安い商品に変化していることや、中国政府が海外の商品を中国に持ち込む際の税金の税率を引き上げたことなどから減速していて、全国のデパートの売り上げは、5か月連続で去年の同じ時期を下回っています。

デパート各社は、比較的売り上げの好調な大都市の店舗の売り上げを、さらに伸ばしていくことに加え、採算のとれない地方や郊外の店舗を存続させるかどうかの検討を迫られています。