築地の6倍 豊洲新市場の空き家警備に「1日180万円」の怪
「豊洲の警備委託の入札は2度目。前回の5月25日は参加全社の応札額が予定価格を超え、入札不調に終わった。そのため、2度目は予定価格を本来より引き上げました」(都財務局の担当者)
一方、築地の警備委託の入札は今年3月4日に行い、豊洲と同じT社が1億448万円で落札。履行期間は4月1日から来年3月31日まで。1日あたり約29万円である。豊洲の警備費は築地の実に6倍強に跳ね上がっているのだ。
豊洲の建物の延べ床面積は40.8万平方メートル。築地(28・5万平方メートル)の1・43倍に過ぎない。しかも、築地は入荷から販売まで24時間フル稼働。1日約1万9000台の車両がひっきりなしに行き交うが、豊洲はまだ“空き家”だ。
ちなみにT社は地上48階建て、高さ240メートル強の都庁本庁舎の警備も請け負い、1日あたりの金額は約163万円だ。空き家の警備に日額200万円近い税金が消えるなんて奇々怪々である。
都は「警備委託については、セキュリティーなどの観点から、内容について明らかにしておりません」(中央卸売市場財務課)と答えるのみだ。
はたして都は、セキュリティーを盾にした“ブラックボックス”に不正の温床が隠れていないと言い切れるのか。