7月の配信以降、大きな社会現象となった「ポケモンGO」。その開発の舞台裏や、ポケモンGOがもたらす影響の行方を追った。
人は外に出て、歩くことで幸せになれる−。
世界中で爆発的なヒットとなったスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」。任天堂の関連会社で、開発にかかわった株式会社「ポケモン」専務執行役員の宇都宮崇人(たかと)は、開発を主導した米国のゲーム会社「ナイアンティック」最高経営責任者(CEO)、ジョン・ハンケの言葉が忘れられない。この言葉が、従来のゲームのイメージを一新させる、画期的な遊びのスタイルを生み出したからだ。
きっかけは2014(平成26)年4月、米グーグルがエープリルフールの企画として、地図アプリ「グーグルマップ」の平面図の上にポケモンを配置し、それを捕まえるゲームを期間限定で配信したことだった。
これが話題となり、当時はグーグルで地図サービスなどの責任者だったハンケは社内のウェブマスター、川島優志に「これをリアルにできないか」と相談する。川島を通じて、ポケモンのブランドビジネスを展開する株式会社ポケモン社長の石原恒和に提案したところ、すぐに意気投合した。
このときハンケが繰り返したのが、冒頭の言葉だ。
屋内にこもって遊ぶ従来のゲームは、マイナスイメージで語られることが少なくない。ハンケや石原らは、そのイメージを覆そうとしたのだ。
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