阿部
「こちら、皆さんおなじみのキャラクター、『スヌーピー』と仲間たちです。」
和久田
「スヌーピーは、1950年から半世紀にわたってアメリカの新聞に連載された漫画『ピーナッツ』のキャラクターです。
最近、かわいらしさだけでなく、漫画の中でスヌーピーと子どもたちが交わす会話に、人生を前向きに生きる『知恵』と『ユーモア』が詰まっていると、人気が高まっているんです。」
阿部
「人々の心を捉えるスヌーピーたちの言葉、ご覧下さい。」
阿部
「こちら、皆さんおなじみのキャラクター、『スヌーピー』と仲間たちです。」
和久田
「スヌーピーは、1950年から半世紀にわたってアメリカの新聞に連載された漫画『ピーナッツ』のキャラクターです。
最近、かわいらしさだけでなく、漫画の中でスヌーピーと子どもたちが交わす会話に、人生を前向きに生きる『知恵』と『ユーモア』が詰まっていると、人気が高まっているんです。」
阿部
「人々の心を捉えるスヌーピーたちの言葉、ご覧下さい。」
漫画の主人公、チャーリー・ブラウン。
不器用で弱気ですが、誰からも好かれる少年です。
チャーリー・ブラウンの飼い犬のスヌーピー。
いつもマイペースで、のんびり暮らしています。
彼らと個性豊かな仲間たちの何気ない日常生活を描いた漫画。
例えば、こんな会話が交わされます。
チャーリー・ブラウン
“人生という本には、後ろの方に答えは載っていないんだ。”
チャーリー・ブラウン
“これが僕の新しい哲学さ。”
ルーシー
“あなた、なんか悩んでいるでしょ。”
ルーシー
“あなたは人生を無駄に過ごしているわ。
もっとできることがたくさんあるんじゃない?”
スヌーピー
“僕もそう思うけど…犬であることがフルタイムの仕事なんだ。”
ライナス
“問題とまともに向き合うのは好きじゃないんだ。”
ライナス
“問題解決の一番良い方法は、避けることだと思うんだ。”
ライナス
“避けられない程大きくて難しい問題なんて、存在しないんだ。”
登場するのは子どもと動物だけですが、日々の悩みや不安をうまくやり過ごす処世術が描かれています。
今、彼らの言葉が静かなブームになっています。
東京・渋谷の書店に設けられた特設コーナー。
スヌーピーたちから生き方を学ぶための本が並んでいます。
6年前に1作目が出版され、次々と続編が出されているこのシリーズ。
出版社によると、30代や40代の働く女性に特に人気があるといいます。
スヌーピーたちの言葉にずっと支えられてきたという、浅賀桃子(あさか・ももこ)さんです。
心理カウンセリングを行う会社を経営しています。
都内の有名大学を卒業した浅賀さん。
当時、女性の社会進出が進んでいましたが、「就職氷河期」と呼ばれた時代でした。
浅賀さんは、希望していたのとは全く別の仕事に就きました。
不満を抱えながらも、先輩や同僚に認められたいと、1人仕事に打ち込む日々。
そんな時、心に響いた言葉があります。
いつも勝ち気な女の子、ルーシーの言葉です。
ルーシー
“私の人生よ、私がしたいようにするわ。”
ルーシー
“私は私だもの。”
ルーシー
“私の人生よ、私が生きなきゃならないの!”
ルーシー
“少し、手助けは必要だけど。”
浅賀桃子さん
「自分に自信が無かったりすると、この道でいいのかなと悩んだりして、“生きるのは私よ”とはっきり言ってもらえると、“ああそうだよね”と。
さらにオチで“ちょっとした手助けはいるけど”と。
これもすごく真実だと思っていて、自分だけでは生きられないのが人生だと思う。
そういう時には手助けがいる、助けてもらえばいい。
そのうえで自分の人生を有意義に生きよう。」
その後、自分に合う仕事を探し求めて転職を繰り返した浅賀さん。
そのころ励ましてくれた言葉もあります。
スヌーピー
“毎晩いっつもおんなじだな。”
スヌーピー
“赤いお皿でごはんを食べて、黄色いお皿で水を飲む。”
スヌーピー
“今晩は逆にしてみようかな。”
スヌーピー
“人生短いんだから、少しは楽しまなきゃ。”
迷ったときこそ肩の力を抜いて生きよう。
10年以上かけて、ようやく自分がしたい仕事にたどりつきました。
浅賀桃子さん
「決してみんな完璧じゃないし、何度も同じ失敗をしたりと、私たちにそっくりなところもいっぱい出てくる。
そんな中でも何かしら生き抜くすべを見つけていたり、他のキャラクターが“こうしたらいいんじゃないの?”とヒントになることを言っていたり、日常生活でも生かせるし、悩みすぎていると忘れているような視点を気付かせてくれる。」
スヌーピーの作者は、アメリカ人のチャールズ・シュルツさんです。
2000年に亡くなるまで50年間、1人で作品を作り続けました。
アメリカ中西部の町で、移民の子として生まれたシュルツさん。
内気で、コミュニケーションが苦手な少年でした。
漫画家として不遇な時代も過ごし、そうした実体験から得た人生哲学を作品に反映してきました。
アメリカ社会で広く受け入れられてきたシュルツさんの漫画が、今、日本人の心に響いている理由。
それは、生き方や価値観が多様化する中で、逆に、どう生きればいいのか迷う人が増えているからではないか、という分析もあります。
去年(2014年)、働く未婚女性600人を対象に行われた調査で、スヌーピーたちの言葉の中から最も共感するものとして選ばれたのが、こちらです。
ルーシー
“時々、あなたがどうして犬なんかでいられるか不思議に思うのよ。”
スヌーピー
“配られたカードで勝負するしかないのさ。”
スヌーピー
“それがどんな意味であったとしても。”
このスヌーピーの言葉に救われたという1人、ヘアメイクアーティストの荒川絢(あらかわ・あや)さん、34歳です。
家庭の事情で、幼い頃から祖母1人に育てられてきた荒川さん。
16歳の時、祖母が亡くなり、高校を中退して働きに出ました。
自分だけがどうしてつらい目に遭わなければならないのか。
そんなとき出会ったのが、先ほどのスヌーピーの言葉でした。
荒川絢さん
「小さな問題でくよくよしてもしょうがないというメッセージを受け取った。
今の境遇をどうこう言ってもしょうがない、出来ることで何とかしなきゃ。
そういう前向きな気持ちになった。」
その後、仕事を掛け持ちして働き、夢だったヘアメイクアーティストになることができました。
脇目もふらず働いてきた15年。
最近、胸にとめている新しい言葉があります。
ルーシー
“また寝てるのね。”
ルーシー
“そんなに休む必要ないんじゃない?”
スヌーピー
“明日がすばらしい日になるかもしれないから、たくさん休むんだ。”
スヌーピー
“たぶんすばらしい日じゃないだろうけど。
もしそうなら、僕は準備万端だよ。”
がんばりすぎない。
そして、明日はもっといいことがあるはずだ。
荒川さんは、これまで以上に仕事も生活も楽しめるようになったといいます。
荒川絢さん
「力み過ぎちゃっているとき、リラックスするために(本を)手にとることは多い。
じわじわ来る。
直接的な言葉でないので、読み終わったときに響く。
後から来る。」
仕事や結婚、育児、そして複雑な人間関係。
さまざまなストレスとともに生きる現代の人々の心に、スヌーピーたちの言葉が響いています。
和久田
「悩んだりつまずいたりした時に、自分では忘れていた考え方や捉え方をはっと気づかせてくれて、気持ちを軽くしてくれる。
そんな言葉が詰まっているんですね。」
阿部
「さまざまなヒントがあるということですね。
先ほど登場した、心理カウンセリングの会社を経営する浅賀桃子さんは、2年前から、スヌーピーの漫画をカウンセリングに取り入れています。
アメリカではすでに、スヌーピーたちの言葉を心理療法に生かす取り組みが広がっているということです。」
和久田
「さて、今日はクリスマスイブということで…。
スヌーピー!
最後に、仲間の言葉を1つお願い!」
スヌーピー
“幸せは、分かち合うものだよね。”