HOME > レビュー > 「僕らはウォークマンで育ってきた」 音楽鑑賞のスタイルを変えた、名シリーズの秘密に迫る(2)
2016年9月 6日/StereoSound ONLINE編集部
今年誕生から37年を迎えた"ウォークマン"は、カセットテープ/CD/MDといった音楽メディアの変遷とともに新たなスタイルを提案し続け、常に音楽ファンと共に歩んできた。前編では麻倉怜士さんや開発陣の思い出のモデルを中心にその進化を検証してきたが、後編では現行モデルであるハイレゾウォークマンについて、その音作りの狙いや今後の展開について聞いてみたい。(編集部)
麻倉 さて、現在のウォークマンというとすべてメモリータイプになるわけですが、メディアがなくなっての変化は何ですか?
関根 メモリーの場合は、当初は容量の問題もあって圧縮が不可欠で、音質的には条件が厳しかったです。その点では最近のメモリーの大容量化とハイレゾの登場はウォークマンとしての次のステップにつながりました。
佐藤 ウォークマン本体を手がけることになった時に、プレーヤーとして音質をもっとしっかりやりたいと考えました。しかし音質のいい部品はサイズが大きく、消費電力も大きいといった問題がありました。
麻倉 高音質パーツが選びにくかったんですね。
佐藤 2003年当時は乾電池一本で何時間使えますということが求められていたので、それと平行して音を良くする方法はないかと模索していました。
麻倉 解決策はありましたか?
関根 2009年に発売したネットワークウォークマンのNW-X1000で初めてS-Masterを搭載し、現在の高音質化の先駆けとなりました。
麻倉 ネットワークウォークマンということは、メモリータイプですね。デジタルアンプだと高音質化と省電力に有効だったと。
関根 おっしゃる通りです。加えて、Sマスターは当初ボリュウムをデジタルでコントロールしていたので、その部分で分解能が落ちていました。そこでボリュウムを後段で処理しようということになり、その技術を入れたのがS-Master HXになります。
佐藤 据え置きモデルで使っていたパルス・ハイト・ボリュウムをウォークマンでも使い始めました。
関根 付け加えますと、この製品の直前にiPod touchが登場しました。音楽だけでなく、色々なことが出来ますというコンセプトでしたね。それに対しソニーとしてもタッチパネルを使いながら何か新しいことができないかに注力しています。
もちろん音質にも配慮しましたが、その他にもWiFiにもつながって、音楽をダウンロードしたり、ワンセグ放送を見ることも出来ました。
麻倉 映像も楽しめるウォークマン、ですか......。
関根 メディアから解放されたから、できるようになったということです。
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