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アジア最大級VBイベント、渋谷で開幕 120社参加

2016/9/6 14:26
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 アジア最大級の起業家支援イベント「テック・イン・アジア」が6日、東京・渋谷で開幕した。約120社のベンチャー企業(VB)が参加して自社の事業内容を投資家らにPRするほか、国内外の著名な起業家や投資家が講演する。日本での開催は3回目となり、2日間で延べ3000人以上の来場を見込む。

メルカリの山田進太郎社長は「市場を押さえるためには海外展開が重要」と位置付ける(6日、東京・渋谷)

 「日本でだけ展開していると海外の大きな市場を取り逃がす。世界基準で考えることが重要だ」。同日午前、イベントで講演したメルカリ(東京・港)の山田進太郎社長は力を込めた。

 メルカリは個人がスマートフォン(スマホ)で中古品を売買する「フリーマーケットアプリ」を開発する。日本では最も成長力が期待されるVBの1社だ。国内での提供は2013年7月からで、14年9月からは米国での展開を始めた。現在では「開発リソースの9割ほどは米国に向けている」(山田社長)という。

 米国に力を入れる理由は何か。山田社長は海外市場の大きさに着目する。「欧米で成功した会社が日本に来ると(我々は)負けてしまうだろう。攻撃が最大の防御。自分たちの方から海外に出て行く」と力を込めた。

 また現地での人の採用や報酬などについて「日本のやり方を押しつけても成功は難しい。世界基準のやり方を知るのはとても重要」と強調した。英国でもサービスの提供始めるため、準備を進めているという。欧米を押さえることで、メルカリをフリマアプリのデファクトスタンダード(事実上の標準)にする。

 米有力ベンチャーキャピタル(VC)の500スタートアップス(カリフォルニア州)の日本代表、ジェームズ・ライニー氏は「東京大学や京都大学を卒業した優秀な学生が大企業ではなく、VBを選んでいる」と日本のVBの現状を指摘。日本でも起業家精神が高まっていることを話した。

 東南アジアのVBへの期待も高まる。投資家のステファン・ユング氏は「特にインドネシアのVBへの投資は加熱している」と話した。中国が積極的に投資をしているといい、注目度の高さを示した。

 会場ではVBがブースを設けて、投資家や大手企業の担当者らに事業内容を説明した。2日間で、あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)など計120社のVBが参加する。

 IR情報などを基に株価を予測するフィンテックVB、財産ネット(東京・千代田)の荻野調社長は「海外展開を探っている。パートナー企業が見つかる機会になってほしい」と話した。(黒田弁慶)

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