フジロックに出れるアイドルはBABYMETALだけ

最近ではロックフェスにアイドルが出演するのが当たり前になってきている。ロックインジャパンフェスやサマーソニックなどには毎年のように多数のアイドルが出演するようになった。

しかしそこには賛否両論がある。なんで元々はロックフェスだったのにアイドルを出演させるのか？なぜアイドルばかり出ているのかと批判も少なからずはある。今の時代、アイドルを出演させればその分だけ集客もできるだろうという理由、地下アイドルの姿勢そのものはロックと言うべきなんじゃないかという理由。などが挙げられる。

そして毎年のようにアイドルをロックフェスに出演させることにより、フェスへのアイドル出演はなんら珍しいことではなくなった。

フジロックだけはアイドルを出さなかった

アイドルが当たり前のように出るようになった音楽フェス、サマーソニックですら多数の地下アイドルやジャニーズまで出演している。

だが音楽フェスとしてロックフェスとしてのスタンスを貫き通していたのがフジロックである。フジロックは根っからの音楽好きやロック好きが集まる聖地として、音楽ファンから最も愛されている日本の音楽フェスと言えるだろう。国内のアーティストよりも海外のアーティストに重点を置き、国内のアーティストといっても有名な人気アーティストは極力多くは出ない。もちろんアイドルも出演しない。それがフジロックである。

音楽フェスもいつまでも同じ体制で続けていても盛り上がりを見せない。「夏フェス」と呼ばれ全国各地に広がっていたと同時にフェスもその形を変えながら進化していった。しかしフジロックだけはその姿勢は変わらず音楽ファンから愛されるようなフェスで有り続けた。

国内の他の音楽フェスとフジロックは明らかに何かが違うのである。

そんなフジロックに出演したBABYMETAL

BABYMETALはアイドルである。誰がなんと言おうとアイドルだ。3人のアイドルが神バンドという名のバックバンドと共にヘヴィメタルを奏で踊り歌う。バンドではないしアーティストと呼ぶのも何か違う。彼女達は「アイドル」という枠の中にいる。

しかしアイドルの概念を覆す勢いで彼女達は活躍している。海外のロックファン、音楽ファンを魅了し、世界を股にかけて活躍できる日本で唯一のアイドルである。こんなアイドルは日本には他を探してもどこにもいない。イギリスのウェンブリー・アリーナでワンマンライブができる日本人は彼女達だけである。

そんな実績があるからこそ、フジロックはBABYMETALを呼んだ。海外のロックフェスに当たり前のように出演しているBABYMETALだからこそ出演できた。実績はそれまでの固定概念をも覆す。アイドルがフジロックに出るなんてありえない、その常識を覆す。彼女達が同じ形で国内のみで活躍していたらフジロックには出れなかっただろう。海外での実績を経たからこそ出れたのだ。

それを言うと、結局は日本の音楽は海外の評価有りきとも捉えることができる。日本人だけの評価で決めることができない。白人に認められたからこそフジロックに出演できたとも言える。英語圏で認められてこその音楽。そこには日本人が音楽を奏でることへの劣等感があるのかもしれない。

どうだった？BABYMETALのフジロック

いわば凱旋ライブ。海外の数多のロックフェスに出演してきたBABYMETALが日本一のロックフェスに帰ってきた。まだまだ日本人でBABYMETALを生で見た人は少ない。単独ライブに行くファン以外で、ロック好きや音楽好きでBABYMETALを見たという人は少ない。そんな中、海外で力を蓄えた彼女達がフジロックで魅せた。

BABYMETALが出演したステージは「ホワイトステージ」。このステージはフジロックではメインのステージではない。フジロックは6つ、7つステージが用意されている。一番大きいステージは「グリーンステージ」。ホワイトステージは2番目くらいの大きさである。

なぜBABYMETALを1番のメインステージである「グリーンステージ」に出さなかったのか。東京ドーム公演ができるBABYMETALであれば、グリーンステージも埋めれれたはず。それはフジロック側のアイドルを出すというところへの少なからずの抵抗感か、フジロッカー側への配慮か、それはわからないがまだ1度目の出演だからこそホワイトステージへの出演に至った。

しかしそれは誤算であったのかもしれない。ホワイトステージは超満員で入場規制が早いうちからかかり、BABYMETALを見れない人が大勢いた。「BABYMETALってどんななの？」気になったロックファンや音楽ファンが大多数いたんだろう。「歌はアイドルだけど、それをヘヴィメタルに乗せているのが良いね」。そんな声が周りからも聞こえてきた。

海外のロックフェスに出演してきた経験を経てBABYMETALの3人は肝が座っている。耳の肥えたフジロッカー相手にも微塵も臆さない。SU-METALの堂々たる煽りがそれを物語っていた。フジロックへの出演はまだBABYMETALを直に見たことがない人へ、BABYMETALがどんなものか関心を高めるためのパフォーマンスとしては大成功を収めた。 アイドルがフジロックに出演するという常識をまた一つ壊したのがBABYMETAL。次に呼ばれるときはグリーンステージで間違いないだろう。

ちなみに、BABYMETALを気になっていた人は有名人にも多数いたようだ。同日に出演していたYears & Yearsが「BABYMETALが気になっている」旨のコメントを出演前のラジオコメントにて出している他、こんな人もBABYMETALを見ていた。

報道ステーションのアナウンサーでお馴染みの小川彩佳アナ。大の音楽好きロック好きでフェスには毎年のように足を運んでいるという彼女。BABYMETALも気になっていた様子。

小川アナはBABYMETALに対して、

「どこまでも完璧にシンクロした双子ちゃんのような女の子たちのキレッキレの動き、 ボーカルの伸びのある歌声の力強さと凄味、そして本格的なヘビメタ・サウンド。 絶妙なバランスと完成度の高さに圧倒されます。」

とコメント

・小川彩佳 ブログ

こうして様々な人から気になる存在として見られているBABYMETAL。今回のフジロックではフジロック好きの心を掴んだのでは！？

次はどこへ向かうのか、BABYMETALの活動が楽しみでならない。