差別撤廃への思い誓う 関東大震災後の朝鮮人虐殺で追悼集会

献花する追悼会参加者=横浜市西区

 1923年の関東大震災直後に虐殺された朝鮮人らを追悼する集会が3日、横浜市西区の久保山墓地で開かれた。虐殺の真相究明に取り組む市民グループや神奈川朝鮮中高級学校の生徒ら約150人が参加。慰霊碑に花を手向け、歴史の暗部を語り継ぐとともに差別撤廃への思いを誓った。

 集会は、市民グループ「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」が主催し今年で4回目。横浜でも起きた朝鮮人の虐殺は、震災発生直後から事実無根の流言が広がり、自警団の住民らによる殺傷事件が多発。軍や警察も関与したケースもあるとされる。犠牲者は最大数千人規模。その多くが朝鮮人で、半数が横浜で命を落としたといわれるが、詳細は分かっていない。

 同会メンバーによる調査結果を朗読劇方式で報告。「反町遊郭(現在の反町公園近く)で惨殺された」「当時の横浜駅に焼死体が多数」「浅野造船所で100人以上が襲撃された」といった内容の目撃証言や当時の新聞記事などをもとに披露し、真相に迫った。

 同会代表の山本すみ子さんはあいさつで、韓国朝鮮人に対するヘイトスピーチが繰り返される排外的な状況に言及。「93年前に虐殺した事実を隠蔽(いんぺい)したことに始まる差別の実態は今なお続いている」と指摘し「皆で立ち向かい、闘っていきたい」と活動継続への思いを新たにした。

 民族舞踊やアリランの合唱なども行われ、犠牲者を供養した。

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