素晴らしいアニメだった。
主人公たちは決して大きなものに媚びないし、静かで優しいのが好きだ。
新宿で美男美女が体制に乗っかりながら恋愛をする模様をギラギラ絵で見せられる某アニメ映画とは大違いである。
自分の医者がどうにもならないかもしれないと言うほど深く醜いニキビ跡が大量についた皮膚やら汚い容姿をどうにかできると信じて貯めているカネの一部をブルーレイ購入費用に充てたいとまで考えている。
モデルになったスペインのクエンカにも行きたくなるほどである。
ただ、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の世界の中にも描かれていないが酷い目にあっている人間がいるのかもしれないと考えると苦しくなるものだ。
主人公は可愛い女の子だから世界が美しく楽しく儚く見えるのかもしれないのだ。
ドロドロな皮膚やら酷いくせ毛や大きな顔やらの汚い姿で這うように歩く場所である。
見てくれの良い人間を見て泣いている。
楽々と慶応大学に受かった見てくれの良いハルカちゃんにとってみたら輝く世界なのだ。
現実世界と同じように決して『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の世界も自分を受け入れてくれるのではないと考えると苦々しく思う。