News Up ポケモンGO 熱狂去って新たなステージへ
爆発的な人気となったスマートフォン向けのゲームアプリ「ポケモンGO」。ゲームをしながらの事故やトラブルが相次ぎ、公共の場で使用を禁止する動きが広がったことを含めて大きな話題になりました。配信開始から1か月半がたち、あの過熱ぶりはどうなったのでしょうか。取材してみると、ブームは落ち着きつつある一方で、現実世界との接点を深める新たな段階に入っているようです。
配信開始から1か月間のダウンロード数が世界で1億3000万に達し、モバイルゲームとしてギネス世界記録にも認定された「ポケモンGO」。日本でも、今まで訪れる人がいなかった場所に突然、人だかりができるなどしたため、戸惑う人もいたかと思います。そうした中で、プレーを認めるべきか、禁止すべきかで対応に苦慮したのが公共施設や、本来、厳粛な場所であるはずの寺や神社などです。
このうち、奈良県にある世界文化遺産の法隆寺では、配信開始の3日後、南大門の前に使用を禁止する看板を設置しました。寺によると、信仰の場でゲームをするのは好ましくないうえ、観光客が歩きながらゲームに熱中し、階段でつまづいたり、人とぶつかったりする危険性があると判断したためです。
このうち、奈良県にある世界文化遺産の法隆寺では、配信開始の3日後、南大門の前に使用を禁止する看板を設置しました。寺によると、信仰の場でゲームをするのは好ましくないうえ、観光客が歩きながらゲームに熱中し、階段でつまづいたり、人とぶつかったりする危険性があると判断したためです。
当初の熱狂ぶりに苦慮した神社仏閣
配信開始から1か月間のダウンロード数が世界で1億3000万に達し、モバイルゲームとしてギネス世界記録にも認定された「ポケモンGO」。日本でも、今まで訪れる人がいなかった場所に突然、人だかりができるなどしたため、戸惑う人もいたかと思います。そうした中で、プレーを認めるべきか、禁止すべきかで対応に苦慮したのが公共施設や、本来、厳粛な場所であるはずの寺や神社などです。
このうち、奈良県にある世界文化遺産の法隆寺では、配信開始の3日後、南大門の前に使用を禁止する看板を設置しました。寺によると、信仰の場でゲームをするのは好ましくないうえ、観光客が歩きながらゲームに熱中し、階段でつまづいたり、人とぶつかったりする危険性があると判断したためです。
このうち、奈良県にある世界文化遺産の法隆寺では、配信開始の3日後、南大門の前に使用を禁止する看板を設置しました。寺によると、信仰の場でゲームをするのは好ましくないうえ、観光客が歩きながらゲームに熱中し、階段でつまづいたり、人とぶつかったりする危険性があると判断したためです。
一方で、禁止から解禁に転じた寺もあります。京都市にある世界遺産の西本願寺です。配信開始後まもなく、境内でのプレーを禁止する掲示を出しましたが、一律に禁止する必要はないのではないかといった意見が出て、数日後に本堂以外では原則認める方針に転換。国宝の建物など、ふだんから立ち入り禁止にしている場所に迷い込まないよう、ゲームのアイテムが手に入る「ポケストップ」という場所が境内のどこにあるかを示す看板を2つの門に設置しました。寺では「当初は明らかにプレー目当ての人が見受けられたが、今は減ってきている。ピークは過ぎたのではないか」と話しています。
さらに、訪れてもらうきっかけになればと、歓迎している寺もあります。京都府福知山市にある海眼寺では、住職の芝原三裕さんが、配信開始の直後、自分が捕まえたキャラクターをほかのキャラクターと戦わせることができる「ジム」と呼ばれる場所が境内にあることに気付きました。
ツイッターで「遊びに来て欲しい」とつぶやいたり、お堂の前に無料の充電器を設置したりすると、これまでほとんど人の来なかった寺に多い日には10人ほどが訪れるようになりました。お盆には、例年墓参りに来なかった孫がポケモンGOで遊ぶために祖父と一緒に訪れることもあったということで、芝原さんは「定期的に人が寺を訪れるようになり、地域や檀家の方々も好意的に受け止めていますし、ポケモンGOの効果を感じます」と話しています。
ブームはいま
対応は分かれたものの、取材したいくつかの寺ではいずれも混乱はなく、総じて、ポケモンを目当てに訪れる人が減ってきている印象でした。インターネット上でも、当初の過熱ぶりが落ち着いてきたことがうかがえます。
「飽きたポケモン捕まえるの」
「ポケモンGOにハマって飽きただけの最高の夏だった」
「『ポケモンG0飽きた』って言う人すらいなくなってきてさびしい」
こうした状況について、ゲームに詳しいマルチメディア振興センターの上席研究員、七邊信重さんは「配信から1か月以上がたち、定期的にプレーする人の数が減ってきたという調査会社のデータがあるが、無料のゲームアプリでは一般的なことで、むしろ減り方は緩やかなのではないか。引き続き、新しい機能やキャラクターが追加されることになっているので、さまざま工夫でユーザーをつなぎ止めていくはずだ。初期の爆発的なブームは過ぎたとはいえ、今後数年間は世界で数千万人規模のユーザーがプレーを続けるだろう」と分析しています。
「飽きたポケモン捕まえるの」
「ポケモンGOにハマって飽きただけの最高の夏だった」
「『ポケモンG0飽きた』って言う人すらいなくなってきてさびしい」
こうした状況について、ゲームに詳しいマルチメディア振興センターの上席研究員、七邊信重さんは「配信から1か月以上がたち、定期的にプレーする人の数が減ってきたという調査会社のデータがあるが、無料のゲームアプリでは一般的なことで、むしろ減り方は緩やかなのではないか。引き続き、新しい機能やキャラクターが追加されることになっているので、さまざま工夫でユーザーをつなぎ止めていくはずだ。初期の爆発的なブームは過ぎたとはいえ、今後数年間は世界で数千万人規模のユーザーがプレーを続けるだろう」と分析しています。
新たな段階へ
そのうえで、「ポケモンGOは次のステージに移りつつある」と、七邊さんは指摘します。ポケモンGOを地域や観光の振興に活用できないかと、各地で検討が始まっているのです。
例えば、京都市は、ポケモンGOを市の活性化に役立てようとプロジェクトチームを先月立ち上げました。藤原正行総合企画局長は「『ながらスマホ』による交通事故など、負の側面が伝えられやすいが、それをはるかに超える大きな可能性がある」としていて、これまでに「いくつかの場所を特定の順番でめぐって滞在すれば、アイテムをもらえるようにしたい」とか、「京都のサッカーチームがホームで試合を行う際、競技場周辺に珍しいキャラクターを出現させたい」といったアイデアが出されました。市では今後、全職員からアイデアを募って、ポケモンGOの開発会社に要望書として提出したいとしています。
このほかにも、東日本大震災で被災した宮城県や岩手県、福島県、それに熊本県がポケモンGOの運営会社と共同で、ゲームを活用して被災地に観光客を呼び込む取り組みを行うことを発表しています。今後、4つの県について、キャラクターが多く出現する場所を追加したり、被災した沿岸部でイベントを開催したりして観光客の誘致につなげるとしています。宮城県の村井知事は「訪れた人には被災地の復興状況についても見てほしい」と期待しています。
例えば、京都市は、ポケモンGOを市の活性化に役立てようとプロジェクトチームを先月立ち上げました。藤原正行総合企画局長は「『ながらスマホ』による交通事故など、負の側面が伝えられやすいが、それをはるかに超える大きな可能性がある」としていて、これまでに「いくつかの場所を特定の順番でめぐって滞在すれば、アイテムをもらえるようにしたい」とか、「京都のサッカーチームがホームで試合を行う際、競技場周辺に珍しいキャラクターを出現させたい」といったアイデアが出されました。市では今後、全職員からアイデアを募って、ポケモンGOの開発会社に要望書として提出したいとしています。
このほかにも、東日本大震災で被災した宮城県や岩手県、福島県、それに熊本県がポケモンGOの運営会社と共同で、ゲームを活用して被災地に観光客を呼び込む取り組みを行うことを発表しています。今後、4つの県について、キャラクターが多く出現する場所を追加したり、被災した沿岸部でイベントを開催したりして観光客の誘致につなげるとしています。宮城県の村井知事は「訪れた人には被災地の復興状況についても見てほしい」と期待しています。
リアル世界とのコラボに期待
こうした動きについて、マルチメディア振興センターの七邊さんは、「町おこしのほか、キャラクターを集めながら旅行するツアー商品が販売されたり、海外では、ひきこもりの人の治療に使ったりしている例もあるようだ。室内で遊んでいたユーザーを現実世界に引っ張り出すという、これまでにないゲームなので、今後、こんな活用方法があったかと驚くようなアイデアが出てくるのではないか」と話しています。
事故やトラブルにつながりかねないという負の側面を踏まえつつも、ゲームがどんなふうにリアルな世界とコラボレーションしていくのか、まだまだ目が離せません。
事故やトラブルにつながりかねないという負の側面を踏まえつつも、ゲームがどんなふうにリアルな世界とコラボレーションしていくのか、まだまだ目が離せません。