水素水について「どういう効果があるのか」「本当に効果があるのか」知りたいと思っていませんか?
結論から言うと、研究者の経験を活かして国内外の様々な論文を読み解いてみると、残念ながら水素水を飲んだからといって効果が期待できるものではないことがわかりました。
このページでは、水素水について様々な論文を調査した結果から、水素水の効果について以下の流れでご紹介します。
- 一般的に言われている水素水の効果
- 科学的に検証した水素水の効果
- 水素水の副作用
- 水素水を試すときの注意点
- どうしても試してみたいならおすすめの水素水4選
全てを読めば、水素水の効果について納得してもらえるでしょう。
1. 一般的に言われている水素水の効果
真偽は別として、水素水をおすすめしている広告が主張する効果は主に2つあります。
- 美容・健康:美容やダイエット、疲労改善など
- 病気治療:糖尿病やガンなど
それぞれどういう理屈で、効果があると言われているのかご紹介します。
1-1. 美容・健康
(1)抗酸化作用によるアンチエイジング
上記は某商品より引用した商品ページです。
薬事法の関係で、直接な効果は明示されていませんが、「抗酸化物質のトップが水素」⇒「エイジングケアに効果的」という主張ですね。
実際に、抗酸化作用自体は「顔のシミ」「しわ」「くすみ」などの原因だと言われてる肌の酸化にも効果があるとされています。
ただし、後述しますが「水素」が抗酸化物質であることと、「水素水」が抗酸化物質として体内に取り込まれるかは別物なので注意しましょう。※
(2)脂肪の燃焼を促進したダイエット効果
上記は、ネットで「水素水 ダイエット」と検索した時に出てきた1つのサイトです。
同じようなサイトがいくつもありますが、水素水により脂肪の燃焼を促進したり、体全体の代謝が良くなるので、ダイエットに効果があるとも解説されています。
1.2. 病気治療
一般に、日々のストレスや不規則な生活、老化などにより活性酸素が増え、それが原因で様々な病気がおこると考えられています。
水素水は、この活性酸素による影響を防ぐ抗酸化作用をもつと解説されてるのです。
具体的には、以下の2つのような治療に役立つとされています。
(1)ガンの治療
上記は、『ヘルスケア大学』という医師が監修しているサイトの「水素水には癌(がん)の転移を抑える効果がある!?」という記事です。
この記事の結論として、水素が癌の予防や治療に効果的とされています。
具体的には、既存の抗ガン剤の効果を高める効果や副作用の痛みを軽減するという効果だと言われています。
(2)糖尿病
上記は、某水素水販売会社のホームページから引用したものです。
水素水によって糖尿病では、血糖値など低くする効果がうたわれています。
2. 論文から検証した美容・健康への本当の効果
広告で言われる効果が、本当に信用できるのか気になったので、国内外の論文を徹底的に調査してみました。
2-1. 美容・健康に関する研究結果
肌・ダイエット・疲労改善に関する研究結果が見つかったので、わかりやすくご紹介します。
(1)肌の美容に関する研究
肌のシワに対する水素水の効果を調べた2012年の研究があります(Kato et.al., 2012)。
その研究では、下記のような結果でした。
肌細胞への紫外線を照射によるダメージを水素水が抑制している
また、下記のような報告もあります。
<実験協力者6人に水素風呂に毎日入ってもらい3ヶ月続けた結果>
首の後ろのシワについて4人に効果があった
水素水を「飲む」ことが注目されていますが、水素の摂取の仕方は、水素水の飲用の他に、水素水のお風呂に入ることでの効果があるという研究でした。
(2)ダイエットに関する研究
2011年に発表された論文では、遺伝子操作によって太りやすくしたマウスをつかって、体重と体脂肪の増加について、水素水の効果を調べています(Kamimura et.al., 2011)。
それによると、下記のように報告されています。
与えたエサの量は同じにも関わらず18週間後には、水素水を飲んだマウスはただの水を飲んだマウスよりも、10%程度体重の増加が抑えられ、体脂肪は5%ほど低かった
(3)疲労改善に関する研究
疲労軽減に関わる研究も2012年に発表されています(Aoki et.al., 2012)。
10名のサッカー選手に対して、運動前日の夜から運動直前にかけて1.5リットルの水素水を飲んでもらい、パフォーマンスや疲労物質(乳酸)を調べています。
その結果、水素水を飲んだ場合には、下記の報告があります。
運動中の血中の乳酸値上昇を抑えられ、パフォーマンスの低下も抑制されていました。
ただ、運動後の乳酸値については、両群で有意な差がありませんでした。
2.2. 効果がありそうに見えるが、実は美容・健康への効果はわからない
多くの方は、論文を前に出されると、効果がありそうだと早合点してしまいます。
しかし、よく読んでみると、ここで紹介した肌の美容に関する研究は、細胞実験での効果が主で、ヒトの体の中での効果は本文に追加的に記述されているだけです。
(1)肌の美容への効果はわからない
先ほどの「肌のシワに対する水素水の効果」に関する実験ですが、実はこれ「首の後ろのシワ」という随分とマニアックな部分にしか言及していないのです。
皆さんの関心がある「顔のシワ」についての結果ではないのです。
(2)ダイエットへの効果はわからない
ダイエットに関する研究も、マウスの研究であり、ヒトの臨床的な研究ではありません。
これでは、ヒトへの効果を調べた証拠にはならないのです。
ヒトの研究でないことに目をつむったとしても、実は体重が減るほどの大きな効果を示していません。
体重の増加が10%程度抑制されている
とのことですから、むしろ増えています。
皆さんの関心がある、無理な食事制限なく、体重が減らすという結果ではないのです。
(3)疲労改善への効果はわからない
疲労改善に関わる研究も、タイトルに「Pilot study」とあります。これは、「予備的な研究で、結果についても確定的ではないかもしれませんよ」という意味です。
というのも、運動中では効果があったものの、運動後では有意な差が見られていません。もしかしたら、運動後の疲労感は同じかもしれません。
皆さんの関心がある、仕事を終えた後の疲労感が軽減されるという結果ではないのです。
3. 論文から検証した病気への本当の効果
次に、ガンや糖尿病などの病気の治療に関わる水素水の研究を紹介します。
いずれも病気も、治療に大きなリスクがあったり、長期にわたる治療が必要だったりと簡単な治療ではありません。患者さんや家族の方は、藁にもすがる思いで、様々な治療方法を試みたいと期待することと思います。
ただ、結論を先に述べますが、代表的な治療方法を代替するような大きな効果は、まだ検証されていません。
インターネットで紹介されている水素水の効果を鵜呑みにすることなく、医療機関の指示に従うことが最善の道です。
3.1. 治療効果に関する研究
(1)ガンの治療に関する研究
ガン治療に関わる研究としては、2008年に
舌ガン細胞の成長を抑制する効果がある
と発表され、翌年には白金ナノコロイドを含ませた水素水により、さらに著しくガンの成長を抑制する効果があることも報告されています(Saitoh et.al., 2008, 2009)。
また、肺腺ガン細胞の血管新生を抑制するという効果も2008年に報告されています(Ye et. al., 2008)。
最近の研究では、2015年に結腸癌に関して、下記のことも報告されています(Runtuwene et.al., 2015)。
抗ガン剤がもつ抗ガン作用を水素水が高める
(2)糖尿病の治療に関する研究
さきほどの肥満に対する効果で紹介したマウスの研究では、生活習慣によって後天的におこる2型糖尿病に対する水素水の効果も調べられています(Kamimura et.al., 2011)。
そこでは、下記の通り報告されています。
血糖値を食事制限したレベルにまで低下する
3.2. それでも、病気治療への効果はわからない
(1)治療効果を言えるほど十分な数の研究報告がない
いくつかの研究成果をご紹介しました。この他にも研究報告はあります。
しかし、下記の2つの理由から病気治療の効果があるとは言えないのです。
- 細胞実験、動物実験のレベルの研究に止まっており、 臨床実験の研究の数が十分ではない
- 厚生労働省から薬事法上の認可を得る治験にいたっていない
理由1. 細胞実験、動物実験のレベルの研究に止まっており、 臨床実験の研究の数が十分ではない
上記で紹介したガンに対する水素水の研究は、生体から切り出した細胞レベルでの実験であり、ヒトの生体にあるガン細胞への効果を確かめた結果ではありません。
ヒトの生体における臨床実験が数多く成される中で、効果的な水素水の利用方法が発見されるまでは、確定的な事は言えません。
理由2. 厚生労働省から薬事法上の認可を得る治験にいたっていない
医療として利用する場合には、最終的には厚生労働省からの認可を得る必要があります。
これは単に法律上の規則・手続きという問題だけでなく、そこにいたる厳密な実験を繰り返さなければ、実際の効果はわからないということが知られているからなのです。
認可がおりた薬であっても、人によって十分な効果がなかったりすることは、皆さんも知るところでしょう。治験にすら至っていない治療法というは、全く確証がないのです。
一般に、細胞実験・動物実験を繰り返され、効果やリスクがある程度把握できた段階で、人に適用する臨床実験がおこなわれます。
水素水に関しては、リスク(副作用)がなさそうなことから、細胞実験・動物実験と並行して、いくつかの臨床実験も始められています。その様な基礎研究がなされて、十分だと判断されて初めて治験がはじまるわけです。
そして、治験が始まってから、薬や治療機器として発売に至るまでに、さらに5-10年程度かかるのが普通です。
<事例:iPS細胞>
例えば、ノーベル賞でも話題になった山中教授のiPS細胞の論文は2006年に発表されていますが、その後、世界中で研究がされて2014年までに8,046報もの基礎研究の論文が発表されているのです。
そして、ようやく世界で初めての臨床研究が成されたのが2014年です。
ノーベル賞を取るほどに注目されている研究領域で、世界中で多くの研究者がしのぎを削ってたくさんの論文を発表する分野ですら、8年もの歳月がかかって、ようやく臨床研究にたどりつくのです。そのため、1報や2報の論文を根拠に科学的に効果があるとは全く言えないのです。
<水素水はまだまだ基礎研究のフェーズ>
現在、水素水は基礎研究のフェーズにいます。水素水に関連する研究は、2015年までに世界で出版された論文数も300を超えたと言われており、「基礎研究」のフェーズにおいては、期待が高まっているかもしれません。
しかし、現時点では、「10年後には、多くの人にとって十分に効果のある水素水の治療方法が使えるかも!?」としか言えません。
(2)ヒトの体の中における効果のメカニズムが不明
なぜ水素水に効果があるのかを研究した論文はあります(Iuchi et.al., 2016)。しかし、2016年に出されたばかりの論文ですし、検証がまだまだ足りません。
普通に考えると、水素はとても化学的には安定的な物質(変化しにくい物質)です。生体内でどのように変化して作用するのかわかりません。
変化せずに作用する可能性もありますが、ヒトの生きた体の中で効果をもたらすとすれば、非常に不思議なことなのです。
科学者は、不思議なことを解明するのが仕事ですから、様々な研究に取り組みますが、まだ解明されたとは言えないのが現状です。
4. 水素水の副作用
いまのところ、水素水に関する副作用は発見されていません。
そもそも科学的には、効果がないところには、害も生じないので当然かもしれません。
水素水の成分である水素は、厚生労働省が毒性試験や安全性の検査をおこなっていて、問題がないと言われています(平成26年1月30日時点)。実際に、加工や保存などの食品添加物として使われています。
もちろん、水素水を1日に5-10リットルも飲むことは危険だと考えられますので注意してください。
水の過剰摂取によって中毒症状がでて、重傷の場合は死に至る例もあるようです。
5. 水素水を試す時の注意点
水素水の医学研究は進められているものの、多くの人に十分な効果がある方法の発見には、まだ時間がかかる状況だということがおわかりいただけたかと思います。
それでも、試してみたい人は、ここから先を読んでみてください。
ちなみ、明らかに効果のない水素水が売られている場合がありますので、その様な水素水を手に取らないように気をつけてください。
特に、下記の2つの点には注意してください。
- 活性水素が溶けている水素水はウソ
- 製造時からペットボトルに注入されている水素水はダメ
活性化水素が溶けている水素水であるというような説明をしているサイトがあれば、参考にはしない方が良いでしょう。
5-1. 活性酸素が溶けている水素水は嘘
ヒトの生体に影響を与えたという証拠になるようなデータはありません。H+の 状態で存在するのが活性水素です。つまり、原子状態の水素です。
現在の技術で、私たちの日常的な条件下では安定的に存在させることが難しく、活性水素が溶けた水など存在しないと言っても良いのです。
これまで紹介してきた研究が対象にしているのは、水素分子の効果です。ですから、飲むとすれば、水素分子が溶けている水素水を飲むようにしましょう。
5-2. 製造時からペットボトルに注入されている水素水はダメ
もちろん、水素が溶けた水でなければ水素水ではありません。もし、水素の摂取量で効果に変化があるとすれば、水素濃度にも気にとめておく必要があります。
同じ300mlの水素水を飲んだとしても、濃い濃度の水素水を飲めば、水素の摂取量もそれだけ多くなるからです。
ところで、水素水は時間がたつと水素が抜けてしまいます。ですから、製造時点で水素水がペットボトルに入れられて売られている商品は、やめましょう。
例えば、1.6 ppmの濃度の水素水がペットボトルに入れられていたと、製造から数時間から10時間もすると水素分子がペットボトルからぬけて、タダの水になっています。手元に届く頃には、水素水ではない場合が多くなります。
6. どうしても試してみたいならおすすめする水素水4選
購入すべき水素水は、きちんと水素が水に溶けている水素水です。先ほど書いたように最初からペットボトルに注入されている水素水はダメです。
その点で、飲むときに自分でつくるスティックタイプ、もしくは、最初から水素水が注入してあるものの水素が抜けにくいアルミパウチタイプを選びましょう。
6.1. スティックタイプ
水素水をつくる発生剤とペットボトルなどの作成キットがセットになって売られています。
- アキュエラ水素水7.0ppm
値段:500 ml あたり226円
水素濃度:10分ほどで5.0 ppm、およそ24時間で7.0 ppmになります。 - クオシア
値段:500 ml あたり187円
水素濃度:12時間後 5.0 ppm およそ24時間で7.0 ppmになります。
どちらかといえば、『アキュエラ水素水7.0ppm』の方がおすすめです。
水素発生剤の製造元はMIZ株式会社でどちらも同じですが、クオシアは高濃度になるまでに12時間程度の時間がかかりますし、冷たい飲料、オレンジジュースなどの酸性飲料では溶かせません。
また、作った水素水はできるだけ早く飲むようにしましょう。水素水の濃度は、ペットボトルで保管しておいても、数時間で半減してしまうようです。
6.2. アルミパウチタイプ
スティックタイプに比べ水素濃度は薄くなりますが、作らずにすぐ飲めますし、携帯するのに便利です。
- 伊藤園 高濃度水素水
200ml、水素濃度1.9-2.5ppm - ナノ水素水 キヨラビ
300ml, 500ml, 1000ml、 賞味期限内平均水素濃度 1.23ppm
ペットボトルほど水素が抜けやすいわけではないものの、時間がたつと水素が抜けてしまうことには変わりありません。
「水素濃度 1.9-2.5ppm」や「賞味期限内平均水素濃度 1.23ppm」と水素濃度が範囲で示されていたり平均で示されているのは、賞味期限内であっても飲まれるまでには濃度が変化しているからです。
そのため、できるだけ早く飲み、高い濃度の水素水を摂取しましょう。
7. まとめ
現在のところ、水素水の効果は研究されているものの、多くの人に十分な効果を示した科学的根拠はありません。
ただ、試してみること自体は害にならないと考えられますので、どうしても関心をひかれた方は試してみて納得するのも方法です。ただ、その際にも、科学的根拠のない活性水素水などの類似水素水には手を出さないように注意してください。
繰り返しになりますが、現在のところ、推奨できる1日の量や飲み方などはありません。いくつかのサイトには、あたかも科学的根拠があるかのように飲み方などが解説されていますが、その科学的根拠はありません。
自分にあった方法を見つける試行錯誤が必要です。一般には、体質改善には少なくとも3ヶ月程度かかるとも言われています。健康的な生活を手に入れるためにがんばってみてください。





