DeNAのキュレーションサイトが本日大きな話題になっている。
キュレーションサイトが酷いのは今に始まったことではなく、パクリを容認している経営者がサイトの運営に関わっている。
ただ、パクリの点を攻めても、法律上著作権違反と認められなければキュレーションを倒す事は出来ない。
従って、キュレーターを確保したり、キュレーションサイトに負けないコンテンツやSEO対策で対抗する方法しか無いかと思う。
下記で詳しく述べていく。
目次
村田まりの考え
ご存知の通り、元々DeNAはモバイルのゲームを提供している会社だった。このDeNAが本格的にキュレーションサイトの運営事業に参入したのは「iemo」と「MERY」の2社を買収してからだろう。
2014年10月にDeNAはこれらキュレーションサイトを総額50億円で買収し、iemoの創業者で社長だった村田まり氏を取締役に迎えている。現在村田まり氏はDeNAにて「執行役員 キュレーション企画統括部長 兼 iemo 株式会社代表取締役 CEO」という肩書でDeNAにおけるキュレーション事業を総括している。
当然今年4月ぐらいから検索結果にも度々見かけるようになったwelqや上記記事で問題になっているUPINの運営にも関わっているだろう。
キュレーションサイトを運営し、DeNAへの売却及び取締役就任に成功した彼女の考えは「次に来るメディア」を話す下記対談を読めばよく分かるはずだ。
今後はバイラル、キュレーションメディアが台頭する、時代を席巻すると確信していたんです。それで、社員にこう言っていたんです。「2014年の夏頃、 バイラル、キュレーションは人気化して、レッドオーシャンになります。だから、その分野でトップを取っていないメディアは死にます」って。本当に、その通りになったと思いません?で、私は、今年の冬以降に、またちょっとコンテンツのトレンドが変わると思うんですよ。
――『それは、どういう風にですか? 』
それは言えませんよ。絶対に言えない! だって、みんな真似するもん(笑)。
――『では、他のキュレーションメディアも、村田さんが言う“変化”を見据えていると思いますか?』
思いません。たぶん、誰も分かってない。
――『儲かる? なぜですか?』
だって、他のメディアからのパクりでも、そこそこトラフィックを張っとけば、人がたくさんそこに来るから。それで、中身が面白ければ、シェアされるし。それにこうしたメディアって、ユーザーが継続的にそこに来る常連ではないじゃないですか。
――『いちげんさんばっかり訪れる、と。』
そう。そういう場合、かえってアドセンスが儲かりやすい。同じ人ではなく、新しい人が次々にくるから。月々、200万円〜300万円は儲かると思いますよ。だから、従業員2人とか3人でブチブチ回すことはできると思います(笑)。でも私は、「そんな会社意味あんの?」「なんか、社会に還元してんの?」って思っちゃう。だって、アフィリエイトサイトみたいなものじゃないですか。
以上NewsPicks - 今週、一番ホットな起業家が語る「次に来るメディア」より
彼女の考えではアフィリエイトサイトの運営は意味がなく、社会に何も還元していないとのことで、パクリでもトラフィックを集めれば良いと開き直ってる。
DeNAのキュレーションサイトと戦うという事はこういった考えの人と対峙しなければならないのだ。
キュレーションサイトの倒し方
責任者がパクりと認識していても法律上の問題が無ければ当然この点を攻める事は出来ない。DeNAのキュレーションサイトがGoogleから評価されているのは当然評価が高いからである。従って、Googleの評価でキュレーションサイトに勝つしかない。
Googleから評価されている理由として、DeNAのキュレーションが他とは違い有利な点は
▶ 良質なコンテンツを確保する組織の力(人と金)
▶ サイト内で抱えている膨大なトラフィック
の2つになるだろう。
コンテンツはパクりと言えど、Googleからはマイナスに評価されておらず、内容を見ても良質だと思う。加えて、サイト内で抱える膨大なトラフィックにより、露出しやすい環境が整っている。露出がしやすければ、当然外部リンクやソーシャルのアクションも得られるので、外部評価も高まりやすいと言えるだろう。
上記記事でも述べたがキュレーションサイトは検索で上位表示したいコンテンツを露出しやすくするためにサイトのデザインを工夫している。アクセスや収入を上げられそうなコンテンツは積極的に上層へ露出させ、稼げるキーワードにおいて検索エンジンを専有しようとしているのだ。
個々のコンテンツを作るキュレーターの意思とは別に、サイト運営側の戦略によってビッグワードを根こそぎ奪おうとしている。
キュレーションサイトの倒し方を考えた場合、人と金があり、外部評価を高めやすいDeNAのキュレーションサイトに勝つには2つの方法が考えられる。1つはキュレーターを奪うやり方でもう1つがキュレーションサイトに負けないSEO対策である。
キュレーターの確保
DeNAはキュレーターをクラウドソーシング等でも募集をかけているが、良質なコンテンツについては多くが外部から引き抜いた人達が作成しているかと思う。特に、NAVERまとめはキュレーターの連絡先も掲載しているので、多くのキュレーターがお金で引き抜かれたはずだ。
お金で引き抜いたキュレーターを引き抜くにはお金だったり、信用できる人でなければ難しい部分もあるが、ある程度の資金力がある人はこうした人を引き抜いて、アフィリエイトサイトの運営を考えても良いかと思う。
十分な利益を出せているのはDeNAがこうした人の使い方が上手いからとも言えるが、安く使われている現状もあるだろう。現役でキュレーターをしている人も報酬についてはいま一度見直す必要があるはずだ。
キュレーションサイトに負けないコンテンツとSEO対策
welq等を見てみると役に立つコンテンツとして辞書的にまとめているのが変わる。役に立つ系は検索結果との相性が良いだけでなく、アフィリエイトの成約率も高くなる。従って、こうした役に立つ系のコンテンツを詰めるのも良いが、キュレーションサイトに勝つために、敢えてコンテンツを役に立つ系以外で構成しても良いだろう。
例えば、有名なライターにエンターテイメントの要素が強いコンテンツを提供してもらうのも有効なはずだ。ユーザーの満足は全て役に立った、問題が解決したで終わるわけではない。面白かったと評価して、満足することもあるので、こうした差別化は効果的かと思う。
また、キュレーションサイトの弱点とも呼べる点はコンテンツを作る人とサイトの運営者が分かれている点である。どこまで蜜にコミュニケーションを行っているかはわからないが、サイト運営者の方向性がキュレーターに伝わらない事もあるだろう。
トラフィックは有限なので、サイト内で露出させる事が出来るコンテンツは限られる。トラフィックの多さによって利益を受けるコンテンツは決して多くない。欲張れば当然、サイト内露出が効果的に働くコンテンツも減っていくので、この部分に着目して自身のサイトのリソースを注ぐ方法も有効なはずだ。
様々なジャンルでキュレーションサイトを増やし続けても、優位性を保ち維持する事は難しい。運営が完全にコンテンツをコントロール出来ない以上、ここに着目する事で少しずつ切り崩す事も出来るはずだ。
パクることを前提に運営されているので、キュレーションサイトのコンテンツをパクれば良いのでは?と考えている人もいるかと思う。しかし、Googleが同一性を認識出来るレベルでパクってしまえば、コンテンツとしても評価されない。
加えて、コンテンツをパクったとしても、DeNAのキュレーションサイトは高い外部評価で上位表示されているものも多い。パクリは外部評価の低いサイトでは逆効果になる事も多いので、おすすめは出来ない。
キュレーターの確保だけでなく、SEO対策においてもDeNAに勝つのは容易ではない。ただ、キーワードによっては外部評価を付けなくとも、安定的にキュレーションサイトより上位に来ているものもある。
小回りが効かない分、こうした内部対策でもキュレーションサイトより上位に表示する方法はいくつもある。様々なアプローチから小さな個人ならではの突破口を切り開き、パクリを容認しているキュレーションサイトを倒してもらいたいと思う。
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