カラオケチェーン大手のシダックスが店舗の大量閉鎖を進めています。カラオケ市場はわずかですが拡大が続いており、それほど厳しい市場環境ではありません。なぜ同社のカラオケ事業だけが低迷しているのでしょうか。
シダックスは全体の約3割の店舗を閉鎖
シダックスは8月31日、本社機能もある渋谷の旗艦店「渋谷シダックスビレッジクラブ」をはじめとして、一気に44店舗の閉鎖を行いました。4月からすでに一部店舗の閉鎖を開始しており、9月末には累計で80店舗が閉鎖される予定です。これまで全国で約270店舗を展開していましたから、ざっと全体の3割のお店がなくなる計算です。
今でこそカラオケチェーンとしてのイメージが強い同社ですが、もともとは社員食堂の請負事業で成長した会社であり、現在でも売上高の8割は、食堂運営、病院給食などで占められています。ちなみに創業者の志太勤氏は著名な起業家であり、ベンチャー・ビジネス支援や中小企業支援を日本の政策に盛り込むよう、政府への提言を続けた人物としても知られています。
カラオケ事業についても給食事業との関連性が深く、充実した食事のメニューを用意するなど、宴会での利用を想定しています。当初はこうした戦略はうまく機能しましたが、カラオケの利用形態が変化してきたことから、同事業も低迷が顕著となってきました。
2012年には480億円だったカラオケ事業の売上高は毎年減少しており、2016年には300億円となっています。しかしながら、日本におけるカラオケ市場全体が大きく落ち込んでいるわけではありません。2015年のカラオケ人口は約4750万人と2010年との比較では約100万人増えました。
またカラオケボックスルーム数もわずかではありますが増加傾向です。カラオケチェーン最大手のビッグエコー(第一興商)のカラオケ事業の売上高は前期比8%増の568億円とまずまずの水準です。また 業界第2位のまねきねこ(コシダカホールディングス)は前期比20%増の238億円と好調な業績でした。
失速の原因は、食事依存度の高さか
シダックスが失速した原因は、食事への依存度の高さと考えられます。シダックスの店舗は食事で稼ぐことが前提となっており1店舗あたりの売上高が大きく、その分コストも割高でした。一方、まねきねこは、食事のメニューも豊富ですが、持ち込みをOKにするなど、最初から顧客が食事をオーダーしないことを前提にしています。また、1人カラオケ専門店を出店したり、高校生グループを無料にするキャンペーンを行うなど、低い客単価でも利益が出るようコストを大幅に削減しています。シダックスは給食事業から展開したところが弱点になった格好です。
シダックスは一連の店舗閉鎖は9月で終了するとしており、業績についても、多くの店舗が持分法適用会社所有であることから全体への影響は軽微であるとしています。
(The Capital Tribune Japan)
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