パン事務総長 スー・チー氏に少数民族差別の改善求める

パン事務総長 スー・チー氏に少数民族差別の改善求める
国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長がミャンマーを訪れて、アウン・サン・スー・チー国家顧問と会談し、ミャンマー国内でイスラム教徒の少数民族のロヒンギャの人たちがおかれている差別的な状況を改善するよう求めました。
国連のパン・ギムン事務総長は30日、ミャンマーの首都ネピドーを訪れ、外相を兼務するスー・チー国家顧問と会談しました。
会談後の記者会見でパン事務総長は、ミャンマー西部のラカイン州に暮らすイスラム教徒の少数民族、ロヒンギャの人たちについて「数万人もが家を追われ、キャンプでの暮らしを強いられているが、数世代にわたって住んできた人々には法的な権利と市民権が与えられるべきだ」と述べ、状況を改善するよう求めました。
これに対しスー・チー氏は会見の中で、この問題への言及を避けましたが、ミャンマー政府として、国連のアナン前事務総長をトップとする委員会を作り解決を目指す方針を、パン事務総長に説明したものと見られます。
ロヒンギャの人たちをめぐっては、去年、船に乗って周辺国に漂着する事態が相次ぎ、国際社会からミャンマー政府への批判が高まりましたが、市民権を与えることには、多数派の仏教徒の反発が根強く、スー・チー氏にとっては難しい問題となっています。