プーチン大統領訪日へ 政府 経済協力・北方領土交渉加速向け調整

プーチン大統領訪日へ 政府 経済協力・北方領土交渉加速向け調整
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安倍総理大臣とロシアのプーチン大統領の日ロ首脳会談が来月2日に行われるのを前に、ロシア側は、プーチン大統領がことし12月に日本を訪問することを明らかにしました。政府は、プーチン大統領の日本訪問で着実に成果を挙げたいとして、ロシア政府との間で、経済協力に加えて、北方領土交渉の加速に向けて調整を急ぐ方針です。
安倍総理大臣は、来月2日からロシア極東のウラジオストクで開催される国際経済フォーラム「東方経済フォーラム」に出席するのに合わせて、プーチン大統領と日ロ首脳会談を行うことにしています。
これを前に、ロシア大統領府で国際問題を担当するウシャコフ補佐官は、プーチン大統領がことし12月に日本を訪問することを明らかにし、来月2日の首脳会談で訪日の際の議題について検討が行われるという見通しを示しました。
ロシアの大統領が日本を訪問するのは、平成22年11月に横浜で開催されたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の際に、当時のメドベージェフ大統領が日本を訪問して以来で、プーチン大統領の日本訪問は、第2次安倍内閣発足後、先延ばしになっていた課題であることから、政府内からは歓迎する声が出ています。
安倍総理大臣とプーチン大統領は、ことし5月、ロシア南部のソチで行われた首脳会談で、北方領土問題を含む平和条約交渉を、今までの発想にとらわれない「新しいアプローチ」で進めていくことで一致しています。
政府はこれを踏まえ、プーチン大統領の日本訪問で着実に成果を挙げたいとして、ロシア政府との間で、経済協力に加えて、北方領土交渉の加速に向けて調整を急ぐ方針です。

米 日ロ両政府の方針に理解示す

ロシア政府がことし12月にプーチン大統領が日本を訪問すると明らかにしたことについて、アメリカ国務省のカービー報道官は30日の記者会見で、「日本とロシアが両国の外交関係を検討のうえ、決断したことだ。アメリカ政府が懸念したり心配したりするものではない」と述べ、大統領の訪日に向け日ロ両政府が調整を進める方針に理解を示しました。
一方で、カービー報道官は「ロシアのウクライナでの行動やクリミアの併合について、われわれは懸念をしており、今はまだロシアとの関係を通常の状態に戻すべきではないという考えは変わらない」と述べました。
また、国務省の別の報道担当者は、NHKの取材に対し「日本とは定期的に話をしているが、ロシアに対しては、EU=ヨーロッパ連合や、G7=主要7か国を含めた関係国で結束していくことが重要だ」と述べ、ウクライナの情勢をめぐり欧米や日本がロシアへの厳しい立場で共同歩調をとってきた経緯を踏まえ、日ロ間の協議を注視していく姿勢を示しました。