来年度の税制改正要望を各省庁が提出

来年度予算案の概算要求と合わせて、各省庁は31日、来年度の税制改正要望を提出しました。今回は、子育てを支援したり、企業に投資や賃上げを促したりする減税策の要望が相次ぎました。
各省庁は31日、来年度(平成29年度)の税制改正要望を担当官庁の財務省と総務省に提出しました。
このうち子育て支援では、ベビーシッターなどのサービスを利用しながら働く人を対象に、費用の一部を所得税から控除する措置が要望されました。また、保育所などに貸している土地を相続したり贈与されたりした人が、そのまま一定期間、貸し続けた場合、相続税や贈与税を非課税とする措置や、企業が従業員向けの保育所を運営する際、土地や施設にかかる固定資産税などを非課税とする措置も要望されました。このほか、子どもや孫に教育資金を贈与する際に1人1当たり1500万円まで非課税とする措置を拡充し、例えば、知り合いの所得の低い家庭の子どもに贈与する場合に非課税とする要望も含まれています。
一方、企業関連では、中小企業などが賃上げをした場合、賃上げ額の最大10%を法人税額から差し引いて税負担を軽くする制度について、控除する額を最大20%まで拡大すること、そして、研究開発費の一部を法人税から控除する制度の対象を拡大し、サービス産業が生産性を高めようとAI=人工知能などを活用し、研究開発を行う際に、税負担を軽減する措置も要望されました。このほか、低迷する国内の自動車販売をてこ入れしようと今年度末で期限が切れる燃費のよい自動車に対するいわゆるエコカー減税を延長する要望も含まれていて、各省庁は、今後、実現に向けた調整作業を本格化させることになります。