幕末の1868年3月に、英国公使のパークス一行が京都で攘夷(じょうい)派の志士に襲われた事件で、襲撃犯が使った刀が確認された。京都国立博物館(京博、京都市東山区)が5日、発表した。10月15日からの特別展「没後150年 坂本龍馬」で初公開される。

 刀は、襲撃犯の林田貞堅(さだかた、朱雀操〈すざくみさお〉)が使ったもので、刃長74・3センチ。林田の墓所近くにある霊明(れいめい)神社(同区)が所蔵していた。研究者らの間で存在は知られていたが、京博が刃こぼれの目立つ状態や、1888年に親戚から神社へ奉納された際の記録から林田のものと確認した。

 京博には、パークスを護衛していて応戦し、林田を討ち取った元薩摩藩士の中井弘(ひろむ)が使った刀が、中井の娘婿で後に首相となる原敬から1903年に寄贈されている。今回、二つの刀が約150年ぶりに「再会」する。

 事件は大政奉還の4カ月後に起…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら