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【香港立法会選】
民主派、一定の支持確保 中国政府が統制強化に踏み込むかが焦点
こうした市民感情に反するように、香港政府は8月中旬、学校内での独立に関する主張や活動を禁止、教員の資格取り消しも示唆した。台湾の中央研究院の林泉忠副研究員は「中国政府が今後、公務員の議論を禁止するなど統制を強め、違法化に踏み込むかどうかが焦点になる」と指摘する。反体制派を取り締まる法令の制定をめぐり、大規模デモが発生した03年の「基本法23条問題」が再燃する可能性もあるとみる。
一方、倉田氏は、本土派にも課題はあると指摘する。民主派と合わせ“拒否権”を確保したものの、民主化が停滞することに変わりはなく、支持者が求める急進的な主張を実現することも難しいためだ。倉田氏は「北京、香港政府、本土派のいずれも難しい立場に立たされる」と分析している。(香港 田中靖人)