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【香港立法会選】
民主派、一定の支持確保 中国政府が統制強化に踏み込むかが焦点
香港立法会選で、反中志向の「本土派」が議席を獲得、民主派勢力全体でも健闘した。中国政府の意向を背景に香港政府が締め付けを図る中、一定の民意の支持を得た形だ。親中派の退潮を目の当たりにした中国政府や香港政府が、来年の行政長官選に向け、どう対応するかが注目される。
行政長官選などの民主化を求めた2014年の「雨傘運動」に対し、香港政府は全国人民代表大会(全人代)の決定を盾に譲歩を拒否。梁振英行政長官はデモを「外部勢力の介入」と表現し、警察力で排除した。
だが、「傘兵」は議席を獲得し「体制内」の民意代表となった。立教大の倉田徹准教授は「今回の選挙が運動の延長線上にあることが示された」と話す。
香港政府は今回、独立派6人の立候補を認めない異例の措置で、押さえつけを図った。だが本土派の一部は選挙中に独立に言及している。穏健民主派「工党」で唯一、再選を果たした張超雄議員は4日、産経新聞の取材に、香港独立に反対を表明する一方、「独立論は北京と香港、双方の政府が生み出した」と批判した。自由への統制を強める中国政府に対し、香港政府が抵抗しないことへの反発が原因だとして、議論自体には一定の理解も示した。