石川研究者寄贈1878冊を誤廃棄 穴水図書館 「貴重さ理解せず」
穴水町立図書館が、地元の考古学研究者から寄贈された専門書など千八百七十八冊を誤って廃棄していたことが、穴水町教委への取材で分かった。町教委は寄贈者に謝罪し、町の広報紙におわびの文章を掲載した。(武藤周吉) 町教委によると、二〇〇五年、県輪島漆芸美術館館長の四柳嘉章(かしょう)さん(69)=同町在住=から歴史書や漆器考古学の冊子など計二千百七十九冊の寄贈を受けた。 しかし、〇七年三月の能登半島地震で図書館が被災し、移転が決定。仮の図書館に蔵書を移動する際、利用頻度の低い図書を処分することになり、寄贈された本の九割近くを無断で廃棄した。 今年七月、四柳さん本人が寄贈本がないことに気づき、発覚した。四柳さんによると、廃棄された図書の中には、日本民俗学会の会員しか手に入れることができない会報や芥川龍之介全集の初版本など貴重なものが多く含まれていたという。 町教委の調査に対して当時の職員は「図書の貴重さを理解していなかった」と話したという。 四柳さんは「廃棄されたのは図書館の発展を願って寄贈した本ばかり。憤りを通り越して無念さを感じる」と話した。 町教委は、蔵書をコンピューターで管理したり、職員教育を徹底したりして再発防止に努める。布施東雄教育長は「貴重な本の寄贈者に申し訳ないことをした」と謝罪した。 PR情報
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