韓国国会立法調査処が国際機関の資料を分析した結果、韓国の上位10%への所得集中度は44.9%(2012年基準)で、世界の主要国の中で米国(47.8%)に次いで高いことが分かった。アジア通貨危機前の1995年には韓国の上位10%への所得集中度は29.2%で、平均的なレベルだった。しかしその後、急激に所得集中度が上昇し、2000年に35.8%、08年に43.4%、そして今回44.9%にまで達したのだ。この期間(1995-2012年)の所得集中度の上昇幅(15.7ポイント)は調査対象国の中で最も大きかった。1990年代後半のアジア通貨危機、2000年代後半の世界金融危機を経て、韓国の経済成長の果実は大部分が上位10%層の手に渡ってしまったというわけだ。相対的貧困率、ジニ係数(所得分配の不平等さを測る指数)、低賃金労働者の割合など、不平等を表す指標はいずれも警告信号を発している。
所得の二極化は、世界化や技術の進歩、産業構造改編の過程でほとんどの経済協力開発機構(OECD)加盟国が経験する避けられない現象といえる。しかし、韓国だけ二極化の進行スピードが速いのであれば、システムに何らかの深刻な問題があると考えなければならない。世界化の流れに適応することばかり優先し、社会のあちこちに影を落とす問題について十分な分析ができていないのが事実だ。この期間に非正規職の労働者と老後の備えの不十分な高齢者の人口が集中的に増えたのも、こうした所得二極化の原因でありその結果だといえる。
少子化、若者の失業、労使トラブルなど、現在われわれが直面している多くの問題の根底には所得の二極化がある、という事実を否定することはできない。このままでは、持続可能な経済成長と社会統合も壁に突き当たるのは明白だ。この副作用はいつ、どのような形で噴き出すのだろうか。