野党4党統一で鳥越氏出馬 自公は増田氏推薦
東京都知事選(31日投開票)で12日、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が都内で記者会見して立候補を表明した。野党4党が統一候補として支援する。自民、公明両党は同日、前岩手県知事の増田寛也元総務相(64)の推薦を決定した。自民党衆院議員の小池百合子元防衛相(63)も出馬表明しており、自民党は「分裂選挙」となる。3回目の挑戦を表明している宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長(69)と合わせ、選挙戦の構図がほぼ固まった。都知事選は14日に告示される。
鳥越氏は会見で「税金の使い方を見直す」と述べ、出馬の理由について「参院選の結果から憲法改正が射程に入った。国政の問題との指摘もあると思うが、首都である東京の問題でもある」と説明した。11日に出馬を決意したと明かした。
鳥越氏の出馬表明を受け民進、共産、社民、生活の野党4党は12日の幹事長・書記局長会談で、野党統一候補として合同で支援することを決めた。推薦や支持など支援の在り方は各党で判断する。民進党都連は11日に元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)に出馬要請していたが、古賀氏は12日、鳥越氏の出馬意向を受けて、要請を断り鳥越氏を応援することを明らかにした。
前回選挙で共産、社民両党の推薦を受けた宇都宮氏に対しては、民進党の枝野幸男幹事長と共産党の小池晃書記局長が11日に「大局的な判断をしてほしい」と出馬辞退を求めたという。宇都宮氏は12日、鳥越氏と面談して公約が書かれた文書を手渡したが、鳥越氏から具体的な政策の提示や共闘の要請はなかった。宇都宮氏は「今後の対応は支援者と話し合いたい。13日までに結論を出したい」と出馬撤回に含みを持たせた。
一方、増田氏の依頼に応え、公明党は12日の持ち回りの中央幹事会で推薦を決めた。斉藤鉄夫選対委員長は「混乱した都政を立て直す安定した手腕が期待できる」と述べた。自民党も推薦を決めた。
これに対し、小池氏は地元の関係者らの支援を取り付けている。都政改革を訴え、都議会自民党との対決姿勢を示している。
都知事選にはこのほか山口敏夫元労相(75)やジャーナリストの上杉隆氏(48)ら11人が立候補を表明している。16人が出馬した前回選挙と同程度の候補者数による争いとなる見通し。【高橋昌紀、柳澤一男、山田奈緒】