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ヤクザ100人アンケート「どの組織も老害ひどい」と末端組員

2016.09.05 16:00

ヤクザの世界でも老害が問題

【ヤクザの世界でも老害が問題】

 山口組分裂から早1年、ヤクザ社会全体がこの抗争をどう捉えているか、その現場の声はなかなか届くことがなかった。そこで今回、暴力団取材のエキスパートであるライター・鈴木智彦氏が、現役ヤクザ100人に対する大規模アンケートを実施した。アンケート

 山口組分裂から早1年、ヤクザ社会全体がこの抗争をどう捉えているか、その現場の声はなかなか届くことがなかった。そこで今回、暴力団取材のエキスパートであるライター・鈴木智彦氏が、現役ヤクザ100人に対する大規模アンケートを実施した。アンケートは100人すべてに直接電話して回答をもらった。アンケート結果を紹介しよう。

Q:山口組の分裂でなにか影響がありましたか?
 はい…59人
 いいえ…19人
 どちらともいえない…8人
 ノーコメント…14人

 当然、山口組関係者は全員「はい」と予想していたところ、「いいえ」という返答が4人、「どちらともいえない」が1人いた。

「自分たちは親分に付いていくだけ。状況がどうであろうとなにも変わりませんし、影響なんてない」(山口組系幹部)

「いいえ」の回答者はこんな調子で、それぞれ意識が高く、少々考えすぎの気もする。六代目側も神戸山口組も、他団体の賛同を得ようと盛んな外交戦略を繰り広げているため、「山口組は山口組。うちはまったく無関係」(在京団体幹部)という返答も冷静とはいえず、日本最大の暴力団に対するライバル心を感じてしまう。

「あれこれ覚えるのに必死。まだ自分がヤクザで食っていけるか分からないのに、よその親子喧嘩に気をとられている暇はない」

 とある末端組員(ヤクザ歴2年。20代)の返答には切迫感があった。

「どの組織も老害がひどい。実力があっても若手が上にいけないから、このくらいピリピリしてたほうがいい。これまでなら処分になると堅気になるしかなかったけど、今は反対側の組に拾ってもらえる。末端はどっち側であっても気が楽じゃないか」

 分裂抗争が業界の新陳代謝を加速させているとすれば皮肉だ。

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

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