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【中国杭州G20】
習近平主席が朴槿恵大統領にTHAAD配備の撤回を要求 「誤った対応は紛争を激化させる」
【杭州=西見由章】中国の習近平国家主席は5日、G20首脳会議が開かれている浙江省杭州で韓国の朴槿恵大統領と会談した。習氏は韓国が決定した米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備について、「この問題の処理を誤れば地域の戦略的安定には寄与せず、各方面の対立を激化させる」と述べ、「反対」の立場を伝えた。国営新華社通信が報じた。朴氏は、配備の対象は北朝鮮との立場を改めて説明し、協議を継続することが確認された。
7月の配備決定後、両氏の会談は初めて。8月下旬に中国の王毅外相が韓国の尹炳世外相との会談で用いた「断固とした反対」という表現と比べると、やや軟化した表現となった。
習氏は、THAAD配備が中国の対米核抑止力を無効化させるとの認識を念頭に、「双方は互いの核心利益を尊重しなければならない」と牽制。一方で、「両国は広範な共通利益を有する隣国だ。現在の協力基盤を大切にし、困難と挑戦を克服すべきだ」と歩み寄る姿勢もみせた。
聯合ニュースによると、会談は46分間にわたって行われた。朴大統領は「北の核・ミサイル開発問題が解決すれば(THAADは)必要ない」と明言。北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返していることにより、被害を受ける可能性がある韓国国民が感じている脅威は、中国側が感じる脅威のレベルとは差があると訴えた。
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