韓進海運が国際訴訟戦に突入、懸念が現実に

韓進海運が国際訴訟戦に突入、懸念が現実に

 英国の船主会社ゾディアックが、法定管理(日本の会社更生法に相当)手続きの開始を申請した韓国の海運最大手、韓進海運を相手取り、用船料(借船料)の支払いを求める訴訟を起こした。また、台湾の陽明海運が韓国南東部・釜山港に入港する船舶を増やすなど、韓国海運業の仕事を奪おうとする外国海運会社の動きも本格化している。韓進海運が法定管理に入れば複雑な法的紛争が続き、韓国海運業の競争力が弱まるとの懸念が現実のものになりつつある。

 韓国政府は4日、関係省庁による合同対策タスクフォースを設置し、緊急対策の取りまとめに入った。政府は、荷主への道義的な責任の観点から、韓進海運が所属する韓進グループが支払い保証をするなどして船舶の入港禁止措置を解除すべきだとグループ側に圧力をかけている。また、韓進グループが系列会社の資産を担保に融資を求めるなら、銀行団を通じて資金を支援する意向を明らかにした。だが、海運業界では「資金がなくて韓進海運の法定管理を回避できなかった韓進グループに、またしても資金支援を要求するのは理解し難い」と批判が起きている。

 米国の海運専門誌JOCは4日、英国の船主会社ゾディアックが韓進海運を相手取り、用船料の支払いを求める訴訟を米ロサンゼルスの連邦裁判所に起こしたと報じた。ゾディアックは韓進海運に3600TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分)クラスのコンテナ船2隻を貸しており、現在、用船料307万ドル(約3億2000万円)の支払いが滞っている。また、シンガポールの船主会社イースタン・パシフィックも用船料の支払い請求訴訟を準備しているとされる。

 用船料をめぐる訴訟よりもさらに懸念されるのは、荷主との訴訟だ。現在、韓進海運に貨物を任せている荷主は約8300社に達し、貨物の価格は総額140億ドル(約1兆4500億円)に上る。韓国船主協会の関係者は「荷主たちも訴訟を起こす可能性が高い。複雑な訴訟に対応する中で、韓国海運業に対する信頼は地に落ちるに違いない」と嘆いた。

李性勲(イ・ソンフン)記者
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