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「大学生ってホントにいるんだ」 貧困拡大で開く教育格差

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(更新 2015/2/27 07:00)

※イメージ写真

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 子どもを貧困から救うには、周囲の理解と支援が欠かせないことは明らかだ。取材中に出会った慶応義塾大学3年の内山田のぞみさん(21)は、貧困の逆境から脱出したひとりだった。

 母子家庭で育ち、都営住宅で暮らす。内山田さんが「貧困から抜け出すためには大学へ行こう。そのためには勉強しなきゃいけない」と気づいたのは、生活費のために始めた高校時代のアルバイトだった。自宅から徒歩30秒ほどの焼き肉店に、週2、3回通うようになると、オーナー夫妻の息子たちが慶応大学に通っていることを知った。

「自分の暮らす地域にあるごくふつうの焼き肉店の、ふつうのご夫婦。そのお子さんたちが大学に行っていることにびっくりして、あこがれました。遠いと思っていた世界が近く感じて、私もチャレンジしてみようと思いました」

 猛勉強して、現役で合格。学費は母がコツコツためていたお金とバイト代などで工面しつつ、無料学習塾を主宰するNPO法人キッズドア(渡辺由美子理事長)でインターンとして、貧困家庭の子どもたちに勉強を教えている。

 子どもの親や周囲も中卒か高卒が多いからか、「大学生って本当にいるんだ!」と驚く声が聞こえてくる。お昼ご飯代が100円で、コンビニでお菓子を買って済ませてしまう子もいる。お金がなく、いろんなことをあきらめてきたからか、夢がない子が多いと感じるという。だから、自分も貧しい家庭で育ったことを話して聞かせている。

「わたしも誰かの『焼き肉屋のお兄ちゃん』になれたらいいなと思ってます」

週刊朝日 2015年3月6日号より抜粋


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