古代エジプトで忘れちゃならないのが「ミイラ」よね。
エジプトで一番古いミイラは紀元前3200年ころのものらしいわ。でも、そのころは砂に埋めて自然乾燥してたんですって。分かるわ~。だって、あの砂の上を歩いてるだけで、生きてたって干からびてきそうだったもの・・・
でね、いつごろからか、手順にそってミイラを作るようになって、棺も最初は長方形だったのが、人型になって、二重や三重の人型に進化していったってことみたいよ。
ツタンカーメンは紀元前1300年代の人だから、すでに進化形の棺だったってわけ。紀元前1000年ころがピークで、後にローマ人がエジプトに住む頃になっても3世紀頃までミイラ作ってたらしいわ。
ミイラはカイロ博物館のミイラ室や、ルクソールのミイラ博物館、変わりどころではバハレイヤオアシスなんかでも見ることができるわ。カイロ博物館にはラメセス2世とか有名なファラオのミイラがあるの。ミイラ室には特別料金が必要よ。
ツタンカーメンのミイラは、ルクソールの王家の谷にある自分のお墓にいるわよ。ツタンカーメンの墓も別途特別料金が必要なの。
エジプト、ミイラで儲けるわね・・・。って、お金の話してる場合じゃなかったわ。
そう、そんなミイラ、どうやって作ったのかって気になるでしょ?
ならないって?
でも、作り方説明しちゃうわ!
死んだあと、復活、再生するためにきちんと身体を保存しておかないとね。
アヌビス(犬みたいな奴↓)はミイラ作りの神様だから、神官がアヌビスのマスクつけてたの。
「ミイラの作り方」
① 鼻の穴からカギ棒を使って脳みそをとりだす。・・うっ、キモイ。
② 横腹を切って内臓をとりだす。(最後の審判に必要だから心臓は残してね)
➂ 取り出した内臓は「カノポス」って壺に、胃、肺、腸、肝臓をそれぞれ分けて入れる。
④ やし酒とかで洗う。
➄ 天然塩ナトロンで覆い乾燥させる。
⑥ 体内に布、砂、おがくずを詰める。
⑦ 亜麻布でぐるぐる巻きにする。
以上 70日間かけておこなう
こんな感じね。
出来あがったミイラは棺に入れて、あとは、来世に持って行くものもいっぱい用意したのよ。女性なら化粧品や、イヤリングとかね。パンに椅子におもちゃに楽器とかいろいろ。これなら、来世でも困らないわ・・
人間だけじゃないのよ、ミイラになったのは。
猫、ジャッカル、ワニ、はやぶさ、トキ、スカラベ、魚、うなぎ、羊・・・
これまた、いろんなの作ったのね。
あれから時は過ぎ・・・
そのミイラたちの辿った運命もいろいろだったの。
ラメセス2世のミイラ。
偉大な王様だった人よ。でもね、感染症で皮膚がだめになってきちゃったから、治療のためにフランスへ運びこまれたのよ。1977年の出来事なの。
そう、海を越えてパリ旅行と決め込んだってわけ。ちゃんとパスポートも発行されて、職業欄には「王」って書かれてあったそうよ。
さすが王様ね。外国で治療なんて、VIPだわ。
だけど、こんなVIP待遇なミイラばかりじゃなかったのよ。
時は16-17世紀。
ここからは「ミイラの使い方」よ。
ミイラはいいお金になったのね。
粉々にすると、いい茶色の絵の具になったの。重宝されたわ。
まだね、絵の具ぐらいなら許せるのよ。
私、ヨーロッパの人たちのセンスを疑っちゃうんだけど・・
お部屋にミイラの飾り物・・って?!
だって、17世紀頃のヨーロッパ。ステキなインテリアを想像しちゃうんだけど、そこにミイラの顔???
一体どんな趣味かしらね・・・もう、理解不可能よ!!
でもね、飾るだけなら、まだね、まだ、大目に見て許すわ。
ひ、秘薬??
薬にして飲んだってこと?
・・うげっ。
不老長寿の薬?
とんでもないわ!ミイラの粉なんて、聞いただけでショック死ものよ。
日本にもこのミイラ薬入ってきてたって・・・
あら?今度は何?
あとはね、ミイラってよく燃えるのよ。
現地エジプトでも使われたみたい。
いい燃料になったそうだけど、まさか!チキン焼いたりはしてないわよね??
ないない!
本当にそう言い切れる?
もう、なんでもありそうよね。
このさい、チキンでも羊でも焼いちゃってちょーだい。
以上、ミイラの使い方でした。
なんだか、今回ミイラに同情しちゃったわ・・・