「『児童ポルノDVD』が氾濫している」NPOが報告書「監視システムが不可欠」
NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は9月5日、国内で「児童ポルノ」が有効に規制されて、根絶に近づいているかを調査した報告書をまとめた。報告書は、児童ポルノまたは児童ポルノと疑われる動画が「氾濫していることが明らかになった」と結論づけている。
HRNの調査チームが、1年以上にわたって、東京都内の店舗とインターネット上の児童ポルノについて調査をおこなった。調査によると、あからさまに「児童ポルノ」であることを宣伝するDVD、出演者が18歳未満であることを宣伝する「ポルノDVD」、出演者の容姿・服装・体型などから18歳未満であることが疑われる「ポルノDVD」が商品として流通し、インターネットでも配信されていることを確認できたという。
こうした状況の背景には、(1)出演者の年齢が明らかでないため、「児童」か否か判別できないとして警察による取締りがおこなわれないこと、(2) 13歳未満が出演するコンテンツについて審査・流通・販売段階のチェック体制が不備であること、(3)(児童ポルノ法2条3項)3号で規定されたポルノについての実質的なチェック体制が不備であることが挙げられる、としている。
また、少なからぬ作品が、審査団体の審査を受けておらず、そのなかにも大手アダルトビデオ店や、大手通販サイトで販売されていることが確認できたという。さらに、審査団体の審査を通っているにもかかわらず、出演者が小学生であることをことさら強調する「児童ポルノ」の疑いが高い作品もあることを確認したそうだ。
HRNは「子どもの権利を保護するための効果的な監視システムが不可欠であり、そのための法整備や現行法の運用改善が必要である」と強調している。今回の調査結果をふまえて、政府・警察、インターネット業者に対して改善をもとめる勧告や、国際基準をもとにした立法について提言をおこなっている。