発端はアレモコレモ氏(id:aremo-koremo)のエントリ:
AFが速くて正確なカメラが欲しい、と。僕の答えは、「Panasonicのカメラから適当に選んで下さい」なんですが、百聞は一見に如かず、AF速度の比較動画をつくってみました。
比較したのは、FujifilmのX70と、
では動画です。
AF speed comparison: Fujifilm X70 vs. Panasonic LUMIX GF7
いやあ、歴然としてますね。以下、背景を説明しましょう。
- GF7は、Panasonicのミラーレス一眼ラインで最も下のランクのエントリー機です。これ以外の機種も、AF性能はこれと同等かこれ以上です。
- 比較対象にX70を使った理由。アレモコレモ氏がエントリ内で「AFが遅いのが不満」とRICOH GRを挙げています。で、僕の手持ちのカメラの中で、GRに最も近いのがX70なのです。X70のAFは、GRと比べてひどく遅いということはありません(僕はGRを使っていたこともあります)。
- 今時のデジカメは、明るい場所で遠くの被写体を撮っている限り、AF速度の違いを感じることはほぼありません。どのメーカーのどんな機種でも十分速いです。違いが出るのは、「暗めの場所で、近くにある被写体を撮る時」です。比較動画はそういう状況をつくってテストしていますが、これは決して現実離れして厳しい条件ではありません。夜間室内で、人やペットや料理を撮ろうとしたら大体こんな感じになります。
- Panasonicのカメラは、「コントラストAF」というAF方式を採用しています。これは一眼レフカメラの「位相差AF」に対して、よりAF精度が高いというアドバンテージを持ちます。説明はめんどくさいので省きますが、被写界深度が浅い場面で、「ピントが狙い通りぴったり合う」率にははっきりと体感できる違いが出ます。
- なぜか暗所にやたら強いのもPanasonicのAFの特徴です。メーカー仕様表によると、GF7のAF測距検出範囲は「EV −4〜18」となっています。GF7と同価格帯にある比較対象でいうと、キヤノンのEOS Kiss X7iは、「EV −0.5~18」です。GF7のAFは、実に3.5段分も暗所に強いということです。
- PanasonicのAFにも弱点はあります。それは、「動体追従」です。カメラに対して前後に動く被写体に対して、ボタン押しっぱなしでAFを合わせ続ける能力に関しては、未だ位相差AFの一眼レフには及びません。飛行機・スポーツ・鳥・こどもの運動会などなどを撮るためにカメラを買うのであれば、キヤノンかニコンの一眼レフを選ぶべきです。
- 動きモノを撮るんだ!というはっきりした目的がある場合以外は、GF7及びPanasonicのその他ミラーレス機は本当にオススメです。ただ、センサーが小さめであることの宿命として、高感度は比較的弱いです。そこは明るいレンズでカバーしましょう。M.ZUIKOの25mm/F1.8は、ともかくありとあらゆるクセを廃した圧倒的に使いやすいレンズだと思います。
せっかくなのでサンプルです。GF7+25mmで撮ったうちのねこ。こんだけ写れば普通文句ないんじゃないでしょうか。
そういうわけで僕は、ここ三年ほどパナのミラーレスを使い続けており、「初心者なんだけど、カメラ何買ったらいいですか」と聞かれる度に薦めています。でも、次に会ったら大体キヤノン買ってるんですよね。そういうのがブランド力と呼ばれる何かであり、このエントリを書いた理由なわけです。まあなんだ、パナのカメラはいいぞ。