G20サミット 首相 中国を念頭に「法の支配徹底」の賛同求める

G20サミット 首相 中国を念頭に「法の支配徹底」の賛同求める
中国で開かれているG20サミットは2日目を迎え、安倍総理大臣は中国の海洋進出の強化を念頭に、「国際交易を支える海洋における航行および上空飛行の自由の確保と法の支配の徹底を再確認したい」と述べ、各国に賛同を求めました。G20サミットは、首脳間の討議の成果を盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕する予定です。
安倍総理大臣ら主要20か国の首脳らが出席して、中国浙江省の杭州で開かれているG20サミットは、日本時間の5日午後、第3セッションで「国際貿易・投資」をテーマに討議を行いました。
この中で、安倍総理大臣は中国の海洋進出の強化を念頭に、「大航海時代以降、海洋貿易は世界を結び、平和な海が人類の繁栄の礎となった。国際交易を支える海洋における航行および上空飛行の自由の確保と法の支配の徹底を再確認したい」と述べ、各国に賛同を求めました。
また、鉄鋼などの過剰生産について安倍総理大臣は「補助金等の支援措置で市場がわい曲されていることが根本的な問題だ。主要生産国が参加する対話を通じ、市場メカニズムに則した構造改革を促したい」と述べ、中国など主要生産国が参加する「グローバル・フォーラム」を設けて、対応などを話し合う必要性を指摘しました。
G20サミットでは、このあと開発やテロや難民問題などをテーマに討議が行われました。この中で、安倍総理大臣はトルコやフランスなどで発生したテロを批判し、G20各国が連携してテロ組織に資金が渡らないようにするための対策や、途上国へのテロ対策能力の向上支援などに取り組む必要性を指摘したものと見られます。
また、難民問題について、安倍総理大臣は中東不安定化の根本原因を解決するため、中長期的観点から貧困や格差、若年層の雇用問題など、中東諸国の復興・開発を後押しするよう訴えたものと見られます。
G20サミットは、日本時間の午後6時すぎから閉会式が行われ、2日間の討議の成果を盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕する予定です。