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björkは宇宙人か妖精だと思います

Movie Music Think

マリノスが勝って良かったです。

あとカイケがゴール決めたっていうのも良いですね。

最近僕はあまりマリノスの事を書かないようにしているのですが(心の平穏をかき乱されるから)、今日は本当、良かったです。

ふと思い立ち、ダンサー・イン・ザ・ダークを見ました。

劇場で見たのは二十歳前後なので、もう15、6年も前の話。

その時は非常に胸糞悪い映画だと思いました。

登場人物誰一人好きになれず、こんな人間関係じゃ生きていけないと思ったものです。

あれから僕も随分大人になって、色々と経験もしたので感想も変わるかもしれない、そう思ったのですが、やはり胸糞悪いのは変わらなかったです。

ただ当時よりは主人公セルマ(ビョーク)に共感できるものがありました。

セルマは失明する先天性の病気を持っていて、息子にも遺伝しているため、手術代を貯めるために必死な女性。

趣味はミュージカルです。

チェコからアメリカへ移民してきたということですが、劇中、「スロバキア」って言ってたような気がしなくもない。

彼女、お金を必死に貯めているというわりには、あまり仕事に熱心ではないんです。

そこが視聴者の共感を得にくい部分だと思います。

で、必死に貯めたお金を隣人に盗まれ、返してもらおうとしたところ揉めて殺人に発展、裁判で死刑の判決が下ります。

お金はなんとか奪い返し、捕まる前に医者に渡して息子の手術を依頼しました。

後に、そのお金があれば良い弁護士を雇って死刑を覆せるかもという話になるのですが、セルマは頑なに弁護士を拒否、息子に手術を受けさせることを優先します。

美しい母の愛。

ざっくり言えばそんな感じです。

昔見た時は、おそらくセルマに感情移入しながら悲劇の美談として見ていたんだと思います。

でも今、ちょっと離れた位置から見てみると、非常にサディスティック趣味な映画だと感じます。

監督は母親から虐待でも受けていたのかと思うくらい、母の姿は愚鈍で陰惨に描かれています。

監督はセルマを苛めに苛め抜き、さらに愚鈍かつ不真面目に描くことで視聴者の共感を拒絶しています。

処刑台へ向かう時も、覚悟を持った強い母親像ではなく、死に怯えるただの女として描いています。

「歩けない」というセルマはちょっと嗜虐心をくすぐるものがありますね。

処刑台に立ち、首に縄を巻かれるあたりも執拗に描きます。

怯えるセルマの姿を監督は楽しんでいたのではないか。

セルマは息子の手術が成功したことを信じて歌いながら処刑されるのですが、元々予定されていたラストは、息子の手術が失敗し絶望のまま処刑されるというものです。

なんでもビョークが大反対して、一応のハッピーエンド風に変えられたそうですが。

セルマソングス?ミュージック・フロム・ダンサー・イン・ザ・ダーク

セルマソングス?ミュージック・フロム・ダンサー・イン・ザ・ダーク

 

この映画はよく母の愛という視点で語られると思うのですが、母親としてのセルマは中国の故事に出てきそうな教育ママです。

孟子の母の孟母がわりと近いイメージのような。

ただ孟母の故事ほど立派でもなく、わりと賎しい存在なので、ああも愚かで醜くなります。

視覚障害者としては気高いですが、人としては不真面目、母親としては愚鈍。

人間らしさに欠け、むしろ妖精的な女性です。

そういったアンバランスさが、見ている人を不安な気持ちにさせます。

彼女には息子しかないのかと思いきや、ミュージカルへの執着もある。

見ていて唯一人間らしいと思ったのは、死刑執行直前の恐怖で取り乱す様子くらいです。

あれも殺人鬼のそれと見えなくもないのですが。

セルマに感情移入するのをやめて見ると、意外とあっさり見れる映画です。

また10年くらいしたら見てみるかもしれません。

そしたら感想も変わるかも。

 ビョークといったら売れたのはこれでしょうか。

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 この3枚は高校生の時によく聴いてました。