今回はパンクについてのお話です。
まず、あなたは不思議に思ったことはないでしょうか?
なぜ?横になって転がっているはずの釘がタイヤに刺さるのでしょうか??
ゲームのように道路に釘が上を向いて並んでいるのであればパンクは容易に想像できるでしょう。ですが、少なくとも私は道路に釘が上を向いて落ちているところを見たことはありません。
でもタイヤに釘を刺そうとすれば、まっすぐ突き刺さるように向けないとと刺さりません。
誰かが道路に立てておいたのでしょうか?
釘がひとりでに起き上がったのでしょうか?
釘が刺さるように道路に立てたのはあなたの車
実は道路に落ちている釘を立てた犯人は『あなたの車』です。
あなたの車が落ちている釘を自らタイヤに刺さる角度に立てて、あなたの車がそれを踏んでパンクするのです。
では、メカニズムをお教えしましょう。
1.まず、あなたの車が前輪で釘を踏みます。
2.踏まれた釘は跳ね上げられ上を向きます。
3.そこにタイミングよく後輪が踏みます。
4.パンクします。
どうでしょうか?言われてみれば後輪がパンクすることの方が多くないですか?
前輪がパンクするのは前を走っている車が運良くパンクを逃れ、跳ね上げられた釘をあなたが運悪く踏んだ時です。メカニズムは同じです。
タイヤの側面パンクは修理不可
そして、パンクに関してもうひとつ。
もし、サイドウォール(タイヤ側面)がパンクしてしまった場合はパンク修理が出来ません。というかしてはいけません。
トレッド面(タイヤが道路と接する面)は中にベルトと呼ばれるスチールコード(ハリガネ)がぐるりとカーカスと呼ばれるポリエステル、ナイロン、レーヨンコード等で出来た基本構造体を強化するために巻かれています。この部分はかなり強度もありますので、穴を開けて修理をしても問題がありません。また、走行時にもあまり変形がなく、修理後も特に気にすることなく走行が可能です。
ところがサイドウォールはカーカスという基本構造だけで作られているので、タイヤ全体で比較すると非常に薄い部分です。その上、タイヤは車の重量や衝撃をサイドウォールの伸び縮みで受け止めています。ここに少しでもダメージが出来てしまうと、伸び縮みで傷口は広げられ、傷のまわりもつられて破けてしまいます。これがバーストにつながるのです。
サイドウォールはパンクだけでなく、縁石に強くぶつけて傷が入ってしまった場合や、ぶつけた時に傷にはなっていなくても『たんこぶ』ができる場合があります。この場合にもタイヤは修理できないので交換をしましょう。
傷が入っている状態はパンク修理と同じく、いつカーカスが崩壊し、バーストするかわからない状態です。
『たんこぶ』は中のカーカスが壊れ、そこから空気が漏れだし、その表面のゴムだけでなんとかバーストせずに保っている状態です。前述した通り非常に薄いゴムですし、走行による伸び縮みが大きいところですからいつバーストしてもおかしくありません。
格安海外タイヤではこのサイドウォールの強度が弱く、何もしていなくても『たんこぶ』が発生する場合があります。タイヤのカーカスが車の車重や走行の衝撃に耐えられず壊れてしまっているのです。格安タイヤを装着していて、心配だと思う人は定期的に車体の内側も含めてタイヤ点検をして、『たんこぶ』ができていたら安物だからと割りきって、いさぎよく交換しましょう。
もちろん、国産タイヤでも空気圧不足や経年劣化でヒビが入っていたりするとサイドウォールに『たんこぶ』ができることもありますし、ヒビ自体も傷と変わりがないので、定期的な点検と交換を心がけるようにしましょう。
特に空気圧点検は燃費にも関わりますし、習慣づけておけば、パンクの早期発見にもつながりバースト事故防止にもつながります。マメに点検しましょう。
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